カウベル母娘の「庭めぐり旅日記」

第4話 喰いしんぼうの A・LA・CARTE!

(特別編)後楽園とポール・スミザーさん

☆ はじめに

ポールさんの写真にサインを頼むと「これ疲れた顔してるけど、軽井沢で3年前に撮ったものね」と快く応諾。

 2月11日、イエローブック岡山の2005年度会員総会は盛会裏に終わり、ご参加下さった会員、準備に懸命だった役員の皆様ご苦労さまでした。
 会場のホールは、久しぶりに出会えた人、初対面なのになんだか懐かしいような方々、遠く隣県からも来られた方々、ガーデナーの皆さんの熱気が溢れんばかりで、もう学園の同窓会にも似たわけあいあいとした雰囲気に圧倒されてしまいました。

 そして、あの好青年のイギリス人ポール・スミザーさんを岡山に招聘するためにご尽力下さった、Nishiharaご夫妻に厚くお礼申し上げます。

 ポールさんの講演はテレビでお馴染みのように、日本人以上に聴かせる日本語話術で会場を湧かせてくれました。前夜から岡山に宿泊して、この日午前中、何も予定のなかった彼を、岡山の名園「後楽園」に案内して、少し普段とは違うゆっくりとしたひと時を彼と一緒に過ごせたことで、彼の誠実で研究熱心でユーモアのある人柄に一層触れることができました。

 そして、日本人とは一味異なる魅力ある人間性を秘めた一外国人によって、忘れかけていた日本伝統の庭の素晴らしさや、気づかなかった身近にいくらでもありそうな植物を使った庭づくりが出来る素晴らしさを教えられたのでした。

☆ 「ポールさんは何故日本に来たの?」

 「それは英国の庭の植物から日本の植物を抜いたら、もう穴だらけになっちゃうからね。日本の植物図鑑とイギリスの植物図鑑を比べたら、それはもうずっと日本の植物の数の方が多いから、日本ってどんなに素晴らしい国だろうか?と思ったね」

☆ 「ポールさんは日本語が上手だね?」

 「会話って大切だよね。イギリスにいたときボクは人前ですぐ顔があかくなったり、どちらかというと引っ込み思案のタイプだった。これではいけないと思った。会話の大切さを先生に教えられたね。その先生は英語にしてもフランス語にしても会話するのに共通しているところがあってコツをおぼえるといいよ、と教えられたわけね」

梅園のつぼみはまだ固く近くの「茶祖堂」の前で。 「廉池軒」に立ち寄り吉備団子と抹茶で一服。
ポールさんもキビダンゴはよくご存知だった。
こうして見ると親子以上に歳のひらきが…。
後楽園の中ほどにある「流店」の建物がポールさんの関心を引いた。 ポールさんの目にとまった後楽園の野草。
「ボクの好きな羊歯とグラスの取り合わせだな…。」   花交の滝の近くで。



私は彼に直にお目にかかるまで彼のことをそんなによくは知らなかった。
写真を見て、私とあまり歳は違わないのか?と思ったりした程でした。
後楽園の中心にある小高い「唯心山」に登って

「ここは背景がいいから写真を撮りましょう」と言うと、
「ボクは彫りが深いから、パンダになっちゃうかもね」
「ポールさんは背が高いので私は石の上にあがるからね」
「なんだか親子のようだな」
と言われてしまいました。

いや実際に歳を聞くと私の息子よりも若かった。(^_^;)
以前、どなたかが「かわいい…よく出来た息子のような気が(^_^;)」
とおっしゃいましたが、いやほんとにまったくその通りの印象でした。

後楽園の風物詩、芝の焼け跡を見るポールさん。 「うん、これで綺麗な芝芽が揃うね」





(その1)「祖国」とは何だ! (その2)庭園を愛してきた国だからこそ<上>
(特別編)後楽園とポール・スミザーさん

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