花フレンズが贈る、ひとさじの愉しみ付録

花フレンズが贈る、ひとさじの愉しみをご覧頂いた井筒明夫先生からの第2弾
特別編 「バードハウス(巣箱)情報」(その2)


 下の写真は、井筒先生がデトロイト郊外の「庭園のバードハウス」を撮影されたものです(96年6月撮影)。
これらの写真は、プライバシーを考慮し、バードハウスを中心に撮影して下さいました。
 早速、井筒先生にインタビューしてみましょう。
 
                 記
 
モグラ:先生は、いつ頃、デトロイトへ行かれたのでしょうか?

先生:1996年、デトロイト郊外の“クランブルック芸術大学院大学”で開催されたノール・デザイン・シンポジュームに世界の芸術家、建築家と共に講師として招聘されました。
 私の他に講師を勤めたのは、建築家“スタンレー・タイガーマンさん”、工業デザイナー“ニールス・デュフリエント”さんなどです。
 “クランブルック芸術大学院大学”は、ウェリアム・モーリス氏の理念を継承した大学院で、日本では、東京大学名誉教授・建築家槙文彦氏をはじめ、建築、デザイン界に活躍する多くの人たちがここで学びました。
 
モグラ:ほっほ〜〜!難しそうなシンポジュームですね。モグラにはちと高尚すぎますが、楽しいことも一杯あったんでしょうね。↑(^^_)ルン♪

先生:朝な夕な、大学院周辺を散策しました。
 デトロイトの自動車産業に働くアメリカのエグゼクティブたちにとって、野鳥との語らいは、庭園計画の中で重要な要素を占めていることに気づきます
 
モグラ:なるほど、アメリカの企業で働くエグゼクティブ達は、キット、忙しい毎日を送っているんでしょうに。(^^ゞ
野鳥との語らいって、そんなに重要なのですか?

先生:そよ風にゆらぐ頭上のバードハウスの下で、少年少女たちは小鳥たちの巣作りに目を輝かし、彼らの祖父母たちは小鳥と語らい、午睡を楽しみます。
 レーチエル・カーソンが殺虫剤による自然破壊を恐れ、「沈黙の春」を書いたのも、自然を楽しみ、小鳥と語り合う主婦の「航空機による薬剤散布で、庭の野鳥が死滅した。」という1通の投書からでした。
 

モグラ:レイチェル・カーソンの『沈黙の春』って、出版して40周年にもなる本でしたよね。カーソン女史は、「汚染は自然だけでなく、生活環境から、生物の細胞組織まで進んでいる。」と最初に告発した方ですよね。たしか、クリントン・ゴア前正副大統領も地球温暖化問題でカーソン女史を尊敬していたと日本財団図書館のサイトに出ていました。ところで、アメリカの庭園は如何ですか?

先生:アメリカの庭園計画にとって、バードフィーダー、バードハウスは不可欠の要素です。大きな庭園だけでなく、猫の額のように小さな庭園でも、人々は野鳥とのふれあいを忘れません。「バードハウス・フィーダーは、野鳥と人間の共生のシンボル」なのです。

モグラ:「野鳥と人間の共生」ですか。自然とともに生きるって、ガーデニングと相通じるところがありますね。

先生:私の著書『バードハウス・野鳥たちの楽園』でも、「自然は、専門家、学者の特権ではない。ただただ、小鳥のさえずりに耳を傾け、美しい花を愛でる。そして人生を楽しむことが大切ではなかろうか。」といった趣旨を、編集の根底に執筆しています。そうそう出版社は、岡山地区の販売が伸びていると喜んでいますよ。皆さん、ご購読戴き、ありがとうございます。

モグラ:こちらこそ、貴重な情報や写真を、たくさんお送りいただき、ありがとうございました。
 
 
デトロイト郊外の「庭園のバードハウス」 (96年6月撮影)
 
 
 
『バードハウス・野鳥たちの楽園』(光文社新書)の紹介、批評 プロローグ
著者紹介
井筒明夫(いづつあきお)
1930年福島市生まれ。福島経済専門学校(現・福島大学経済学部)、青山学院大学文学部英米文学科卒。セゾングループ・西武百貨店、パルコ等の総務、開発、建築担当役員をへてノール・インターナショナル・ジャパン代表取締役社長就任。退任後東京大学工学部建築学科、京都国立近代美術館、米国クランブルック芸術大学院等にて「ミースの建築に見られる日本建築の影響」講義、講演。その後北海道東海大学非常勤講師として現代デザイン論、余技のバードハウス研究について論文、講演。ヴェンチューリ・スコットブラウン建築設計事務所相談役。
クリックしてね!
井筒明夫先生のメールアドレスはこちら!

※ おとぼけ野鳥会のホームページ(http://homepage1.nifty.com/torio/)にも井筒先生の紹介記事が載っています。

2003/11/14
※新潟の西澤利昭さんのホームページ「自然と生活記録」で、井筒さん“バードハウス”が見られます。
http://www.shibumi.jp/sub21-1.htm←バードハウス・井筒氏の作品はこちらから
富士山麓山中湖旧井筒バードハウス山荘での記録写真。シジュウカラ、ヤマガラなどが、バードハウスの色彩、形状に関わりなく営巣をしています。参考にご覧ください。
http://www.shibumi.jp/←トップページはこちら