第２話 「モネの庭マルモッタン」を訪ねて土佐浜街道をゆく。
（その３ 南国の旅サラダ）
第２話 「モネの庭マルモッタン」を訪ねて土佐浜街道をゆく。
（その３ 南国の旅サラダ）
☆ 時計周りの行程。
瀬戸大橋を渡った分岐点で「高松道」にコースをとり、徳島県板野町まで、開通したばかりの高速道を走って徳島市に入った。新町川のほとり、県庁に隣接する徳島プリンスホテルで珈琲ブレークである。ロビーには阿波踊りのお囃子が流れていて、リオのサンバに似たリズムにオーナーの両手がつられて動きだす。「鳴門秘帖」ヘルプ（１）の時代劇ロマンを秘めた阿波藩のご城下、徳島タウンは三日三晩踊り狂う夏本番を前に、ウキウキ気分が漂っている。
今回も母娘の旅は、出雲の時と同じく時計周りの道順で始まった。もっとも四国八十八か所の霊場巡礼の道順も何故か時計周りであるが。
徳島バイパスを走って阿南海岸を左手に眺めながら、やがて車は23番札所薬王寺のある日和佐に着く。ここから太平洋を眼下に望む断崖の有料道路「南阿波サンライン（※）」のドライブを楽しみながら牟岐に到着した。
時刻は午後１時をまわり、真夏の太陽は頭上からギラギラと一行３人を容赦なく照りつける。(＠_＠;)
| 土佐浜街道のある土佐湾岸。室戸から安芸市方面を望む。 |
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☆ こだわり人間の嘆き。(；一_一)！？
今回も、母娘の旅ガイド兼スポンサーを請け負う羽目になった庭狂(^0_0^)には、こだわりの性癖からくる悩みがあった。旅に出る。その旅先で、その季節になにを食するべきか？その土地ならではのグルメとは？どんな料理で賞味するのがベストなのか？その料理店の人気度は？さて酒はなんでやる？ワイン？ビール？．．．．と大いに悩む。考える。あげくに「あそこのランチは失敗じゃったな〜もう！」などとしきりに嘆く。賢人からみると実につまらないことでも一大事なのだ。
「今度は何処で食事にするの？」母娘といえばもう半ば呆れと諦めの眼差しでそんな庭狂をみている。この日もとっくに昼を過ぎて、牟岐漁港に近いアットホームな仏蘭西料理店「フルール（※）」を探し当てた。ホッとした母娘はさっそく冷えたワインで乾いたのどを潤し、地元の新鮮な魚貝に舌鼓を打つ。満足度が次第に表情に表れてくる。庭狂はそれを横目で確認しながら「どんなもんじゃ！」と密かにこだわりの勝利に酔いしれるのだ。
こだわり人間なんて唯一自分だけが味方の、所詮哀れな存在にすぎないのに、やめられない理由がここにある。
☆ 鰹のたたきと鯨のさえずり。
県境を越えて高知県の東洋町白浜にある「ホワイトビーチホテル（※）」で熱帯夜の一夜を明かした一行は、娘の運転で室戸岬に向かう。
庭狂(^0_0^)はといえば、昨夜のナイスディナーに別オーダーした「鰹のたたき」に盛られたオニオンとガーリックのスライスが効いてやや杯がすすみ過ぎた感がある。
「鰹のたたき」といえば、或る食通の言を借りよう。「あれは日本料理のなかで、ちょっと異質だね。焼いてしかも生で食う。にんにくをふんだんに使う。まるでビフテキだな！これって、西洋人の知恵が入っていると思いませんか？」そうか、南国土佐は何かと西洋文化にご縁があるところだ。
切り立った断崖と逆光で眩しく光る海、いかにも男性的な景観の中を海岸の道は岬に向かって続く。
庭狂はそのとき、ぼんやりと水平線の彼方に目をやりながら、黒潮に身を任せ、塩を吹いて悠然とおよぐ鯨を想像していた。
そして、いまでは珍味となった鯨のさえずり（舌）に想いを馳せていた。
日本には二千種を超える魚がいて、その半数はこの土佐にいると聞く。
懲りないこだわり人間の美味探求は、この南国で、まだ目的を達成していないようである。（つづく）
| 鯨のさえずりを賞味した「キラメッセ室戸（※）」の鯨の郷。 (^0_0^)がお勧めのスポット。 | 24番札所「最御崎寺」に近い 室戸岬灯台で謎のＶサイン？ |
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※「南阿波サンライン」
http://isweb3.infoseek.co.jp/diary/bushi/sikoku/sunline.htm
※ 仏料理「フルール」
http://www.nmt.ne.jp/~mugi/syokufururu.htm
※ 「ホワイトビーチホテル」
http://www.nmt.ne.jp/~wbhkochi/top%201.htm
※ 「キラメッセ室戸」
http://www.gon.ne.jp/kiramesse/syokuyuu.html
ヘルプ（１）
時代劇フアンにはお馴染、吉川英治原作。阿波藩主、蜂須賀重喜をリーダーに阿波武士たちの挙兵をもって仕組まれた討幕計画。
その謀略のすべてを記した秘帖をめぐってスリルに満ちた物語が展開する。公儀隠密、着流しのいなせな虚無僧スタイル「法月弦之丞」がたどる阿波路の旅にも触れたいが今回は時間なく省略。
土佐浜街道(その１) 土佐浜街道(その２) 土佐浜街道(その３) 土佐浜街道(その４) 土佐浜街道(その５) 土佐浜街道(その６)
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庭を愛するものは、自然を愛し、食を愛す！
庭にこだわる庭狂は、当然の事ながら食にもこだわる食狂！！
そしてついでに（？）、食に合わせる「酒」も大切だよ。・・ね、ねっ！！！
ゆえに、「庭」、「飲」、「食」は切っても切れぬ関係にあるのだぁ〜。＼(^_^)／(モグラ)
