カウベル母娘の「庭めぐり旅日記」

第3話 デジカメ探訪!異国情緒のある風景。

(その2 イングリッシュガーデンハウス)


☆ Country Life(田舎生活)のメリット。

オープンテラスから見たガーデン全景

  4月14日、庭の虫たちが鳴き始めた。4月22日には田の蛙がいっせいに合唱を始めた。おとうさんのメモによると、今年の虫や蛙たちのこうした動向は例年より2週間も早いのです。

 田舎に住んでいると、もうすぐ初夏ですよ!っていう季節だよりが耳からも伝わってくるって嬉しいね。
そんな合図に促されて、野菜畑に植えるトマト,茄子,胡瓜、ピーマンといった夏野菜の苗を買出しにゆく。野菜専門ナーセリーのビニールハウスの中で、今年は何を植えるかな?って、苗を見繕うひと時ってもうかなりご機嫌だったりする。

 もちろん植物たちの成長が、雨と太陽によって促進するこの時季、庭や野菜畑にいるだけで、自然が放つ色彩、香り、緑風の触感によっておとうさんの心持はリフレッシュ出来て、精神健康上、田園の生活って実にありがたいなって思うのです。


☆ Enchanted April(魅せられて四月)。


  つい先日、BS2でこの題名の英国映画が放映された。数年前に一度この映画を観たことのある、おとうさんは、イタリーにある小さな古城の美しい庭が描写されたシーンが印象に残っていて、忘れられずにいた。

 おとうさんが憧れる、南欧州の美しい花々や庭や地中海、そんな風景や場面をふんだんに撮り入れた映画ってなかなかお目にかからない。
この映画のカメラ担当は、ロケが行われた、ジェノバに近い、海辺の別荘地ポルトフィーノの情景を憎いほど見事に画面に撮り入れた。

スノーボールの白い花が咲く庭の小径


庭に咲くゼラニュームやマーガレットや藤の花の色とか、風景中のオリーブの木々の色、風化した城壁とのコントラストなど、色彩や風景のもつ雰囲気が、この物語に不可欠の要素であるから、この視点から観たときかなり見応えがあるわけね。

 昼間の風景だけでなく夜の庭なんかも、満月を望遠レンズでとらえたり、カメラアングルが実にいいから、否応なしに雰囲気を盛り上げてくれる。
この別荘地、南フランスのカンヌやニースにも近く、北緯44度あたりに位置する。日本でいうと北海道の網走と同位置とは驚くけどね。

☆ Melancholy(憂鬱)からの脱出。

  この物語のあらましはこうである。

 連日、霧と雨に見舞われる喧騒の街ロンドン。とある平凡な中年のご婦人の目に「陽光と花に囲まれたイタリアの小さな城を、四月いっぱい貸します」という新聞広告がとび込む。このご婦人には家計にまで細かく口を出す、うるさい夫がいる。時代は1939年。陰鬱なロンドンの街中で、鬱々とした日々を過ごすこの女性はこの広告に魅了されてしまう。

 費用負担を軽減するため、親しいわけでもない、周囲の女性に熱心に呼びかけたあげく、日常生活の煩わしさと,陰鬱なロンドンから逃避したい、共通の思いを抱く4人の女性どうしが意気投合して、イタリーの古城を借り切ることになる。

☆ Garden Therapy(庭園療法)

庭から見たガーデンハウス。


  これはアロマテラピー(芳香療法)をもじったおとうさんの造語だ。

 この4人のご婦人達、階級も境遇も年齢も違うんだが、決して不真面目な人間たちではない。むしろ、日常を真面目に生きているがゆえにストレスの堆積に耐えられなくなっていたのかも知れない。

 魅惑的な4月のイタリーで1ヶ月を過ごすうちに、ご婦人達は本来の自分らしさを次第にとりもどしてゆく。逃げ出したいと思った煩わしさが、なければないで寂しく感じたり、逆に、お気に入りで身のまわりに絶えず置いていたものを、もううんざりと感じたりするんだね。そんな気持ちが表れるモノローグが面白かったりする。
この映画、これといったインパクトもなく淡々と物語がすすみ、退屈する向きもあるでしょうね。ところが、ヨーロッパの庭に憧れ、行きたくてもそんな時間がとれない、おとうさんのようなあなた!必見ですぞ!!

☆ Ending Narration(ラストシーンの語り)

庭から見たオープンテラス。

  ハリウッド映画ばかりみて、たまに英国映画をみると英語の発音の美しさに聞き惚れる。日本語しか喋れない、いや正確には岡山弁しか話せないおとうさんにだってわかるんだぞ!
この映画、美しいイントネーションの語りで終わる。そしてそのナレーションが結論のようでもあるんだがね。

「.....最後の週は、見渡す限りが白の衣で覆われた。
白のユリ、白のストック、白いつたバラ、そしてアカシアの香り。
丘を下り切ってー 
屋敷の門を出た後もアカシアは香っていた。
その香りは、ロンドンまでついて来た。
でも、その先は別の話.....。」


悲しいことに、また現実の世界に戻ってゆかざるを得ないんだな。

 ラストシーン、桜木製のステッキついて歩いてた初老の婦人、元気が出てステッキが要らなくなった。丘を下りてゆく途中、このステッキを地面に挿して帰国する。やがて古城の丘でこのステッキ、根が生えて枝が伸びて葉が茂る。
 このギャグなんかは、忙しくて現実的な日本人では思いつかない発想だな。冗談や空想が好きで、どこか心にゆとりのある,英国人的発想っていうか、もう観ていて嬉しくなってくる。

☆ English Garden House(高知県香我美町にある庭)

 4月18日、おとうさんは所用があって、高知市を訪れた。
 今回、ご紹介したい風景は高知県香我美町で見つけました。既にYB岡山のホームページリンク集の中で、全国のガーデン巡りの中に紹介されています。
 南国ICを下りて赤岡町に向かって走り、赤岡から山の手に向かいます。

この庭に着くなり、おとうさんは前述の映画を思い出した。
時はまさに四月、そこらじゅう白い花が一面に咲いている。スノーボール(大手鞠の花に類似している)、白いハナミズキ、赤レンガを這い登る白いクレマチス....!!

 オープンテラスに立って見渡すと、もう幾種類もの花々が競い合うように咲き始めようとしています。
 ここから青い海こそ見えませんが、ちょっと南欧を彷彿とさせる雰囲気があったりするんだね。ここは以前ミカン畑だったそうだ。20年前ご当主は花庭に変えたそうだが、元々園芸家だからその道のプロだ。

 花の種類の多いのにも驚くが、それよりも土づくりがよいから花の生育が素晴らしい。おとうさんが育てる花の大体倍の背丈に生育してるんだね。
本場の英国庭園、おとうさんは写真でしか知らないのだが、花そのものの生育状態だけ比較したとき、きっと負けてないのでは?と思ってしまいます。その他は別にしてここも看板がEnglish Gardenですから。

 ところで、ここのオーナーさん気持ちいい笑顔(^_^.)で迎えてくださり、特製のフルーツジュースがまたご機嫌ですぞ!!(^^♪
ん!!鬱々とした毎日に辟易状態だったりしてるあなた!(@_@)??
 そんな状態を打開する方法はいくつかありますが、ロンドンでお暮らしのご婦人方のようにそれはあなたの決心次第。もう勝手にどうぞ!(つづく)

自宅庭に咲いた白いつたバラとピンクのゼラニューム(5/6撮影) ラストシーンのステッキのようになった挿し木(ヘルプ1)


※ 映画「魅せられて四月」
http://www.tdx.co.jp/movie/mpage/html/032/L24.asp

(ヘルプ1)アメリカデイコ(ヘルプ2)の枝を切って挿し木にしたところ、根が生えて枝が伸び葉が芽吹いた。(5/6撮影)

(ヘルプ2)落葉小高木、夏から秋に深紅色の蝶形花で、舌のような大きな雄弁が下向きに開いて咲く。鹿児島県花。



(その1)長崎グラバー邸界隈 (その2)イングリッシュガーデンハウス (その3)大阪、恋物語の街角

(その4)幻の王宮庭園 (その5)牛窓、シチリアの海

モグラのメニューへ
 第1話 出雲路の旅 第2話 土佐浜街道 第3話 デジカメ探訪 第4話 食いしん坊


そういえば、我が家の竹箒からタケノコが・・・(*_*)
あこがれますね。イギリスの田舎町。
よし、美しい発音がわかるようになって、永住するぞぉ〜(^_^;)(モグラ)

COW BELLさん宛の応援メッセージはこちらへ・・・