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アイコン NISHIHIRAさんの、「きじ鳩観察日記」。

5月30日(水)

我が家のもっこうバラのアーチに番いの鳩が昨日から巣づくりをはじめているのです。

我が家のこのアーチは二代目。
一代目の木製の物は台風で折れたので二代目アーチは“これでもか!”
と言うほど深く土中に埋め込み、せいぜい高さは1.7メートル弱。
だからもう、すぐに手が届くのですよ。

都会では公害的な扱いを受けていたりもしますが、動物愛護と平和のシンボルを思えば多少の
フン公害もガマン、ガマン!でも、果たして無事に巣立つ事ができるのでしょうか?
まだ、先案じしすぎかな。

これからは庭いじりより、鳩観察で忙しくなるかも・・・・・・!!!

6月3日(日)

さて、先日の鳩に名前がつきました。
おす=ホー、めす=ホッちゃんです(巷で有名な、チーズはどこへ・・・のホーではありません)
名前の由来=「ホーホー、ホッホォー」という鳴き声から。

人間が気づいた火曜日からの巣づくりは、金曜日の午前中に終えたもようです。
そしてそれからというもの、ホッちゃんはずっとガマン?で一日中巣篭もりをしています。
4日間、新居作りにせっせと小枝を集めて働いていたホーは今は何処へ・・・・・?
私は今日も一度も姿を見ていません。

巣を守っているということは、すでにたまごを産んであたためているのでしょうか?
私はたまごを確認していないのですが・・・
これでは観察といえないですね。(笑い)

ホッちゃんもことあるごとに、人間界と距離が近いだけにのぞかれて落ち着くのでしょうか。
そっとしていてあげたい気持ちは十二分にあるのですが、ついつい気になるし、
朝夕の水遣りにはアーチの下を必ずくぐるし、つい見てしまうんですね。
なんと言っても、地上160センチの近距離!
ホッチャン、ここの居場所でいいの?って聞いてみたいものです。

6月4日(月)

昨日と変化なし。
ホッちゃんはまんじりともせず巣篭もり中なり。
時折私が覗きに行くと必ず体勢はこちら向き(向き合う形)なので、
しっかりアイコンタクトをお互いとっています。
ホッちゃんは平常心を装いながら警戒しているようです。


6月8日(金)

5日ぶりにホーの姿を発見。
午前10時過ぎなんとホーが現れました。
静かに巣篭もり中のホッチャンを2メートル離れた所から、
ホーは約30分間見守り続けていました。
その後ホーがいなくなって、今日の正午と午後4時に
「ホーホー、ホッホー」と鳴きました。
この鳴き声を聞くのも久しぶり。
ホーに「又会いに来て・・・」と鳴いている様に聞こえました。
最近は大分警戒心もとれたのか、私が近づいてもあっちを向いていたりと
巣篭もり体勢を1日のうちに何度も変えているようです。
手入れも行き届かず、ジャングルと化している私の庭に咲きかけた
モナルダやチコリの花をアーチの上から鳥の目で観察してくれているのでしょうか。


6月11日(月)


ニュースです!!!

本日、午後たまごを発見!しました。
皆、疑問、謎となっていた「たまご」をはっきりとこの目で確認する事が出来ました。
たまごの色は白く1個だけ・・・(2個あるのかも・・・?)
どうやって見れたかですって。そうなんです。
常々、頭の中では考えていたのです。やはり鏡でしょう。とね。
でも今回は鏡を使用する必要はありませんでした。

そして、たまごを確認したのともうひとつ謎に思っていた事が判明しました。
お母さんになるホッチャンは、来る日も来る日も24時間体勢で巣篭もり???
いつ、食事してるのだろう?水だって飲みたいに決まってるし・・・???と疑問に思っていたら
昨日は家族、今日は私が目撃したのです。ホッチャンとホーがチェンジしている現場を!!
なーるほど!納得。 (観察不足でした)
今日はまさにグッドタイミングでそのチェンジの瞬間とその間に、
たまごを見ることができたのでした。(なんて深い夫婦愛なんでしょう)

少し離れた場所(屋根のアンテナの上とか電信柱)からの鳴き声は
鳩夫婦のコンタクト、だったんですね。
「ホーホー、ホッホッー」って離れている方が先に伝言を伝えています。
そして、巣篭もり中のホッチャン?否ホー?がそれに返事を必ず返してやりとりしています。
日常、あわただしく日々が過ぎていく中で鳩夫婦にめぐり合えたおかげで今や私の目と耳は
日夜とぎすまされています。
これからは、私の庭にも大嫌いなへびさんやその他鳩を脅かす天敵が出没します。
どうかどうか、無事に可愛い雛の誕生、旅立ちとなることを心より祈っている毎日です。



6月15日(金)

大、大、大スクープです!

本日午後1時30分ごろ、庭に出ていたらいきなりバタバタバターッと羽音が。
アーチの巣に目をやると親鳥は、たった今飛び立ったのか、いません。
「今だ!チャンス!たまご観察ができるかも。」と思い、急いで今度は
レンガなんて物じゃなく、椅子を運び上から覗いてみる事に。
ナント!巣の中には確かに先日見たとおりの白いタマゴが一つ。
ん?その向こうにねずみ色した羽らしきものと、黄色い足らしきものが・・・・!
でも、横たわったままぐったりとして動きません。もしや・・・不安が一瞬脳裏を
横切りつつも、しばらく私はじーっと見つめていました。
すると、ゴソゴソッと動いたんですね。あーっ、よかったぁ。(安堵)
もう、その姿を見て感動です!!!

雛が誕生してたんですね。
耳を澄ましていても、まだ鳴き声は聞こえないようです。
急いでカメラを持ってきて2枚撮ったところで親鳥が、まるで威嚇するように
飛び立つ時よりももっと大きな羽音をさせてアーチに帰ってきました。
危険を察したのでしょう。
わずか、2、3分の出来事でした。
ごめんなさいね。ホッチャン。脅かしてしまって。

もう一つのタマゴも、じき孵化することと思います。
それまで、待ってて下さいね。
また、報告します。

蛇よけに良いといわれる煙草をこれからアーチの下に撒きます。
が、植物は大丈夫?かしら。

6月16日(土)

1羽目はすくすくと育っているようです。

まずは「YUNO特派員」の報告から!
ホーちゃんの写真を撮りに行き、けっこうねばったのですがどうしても孵ったばかりのヒナを撮影する事ができませんでした。
下からのぞきこむと一生懸命小さな胸を膨らませて威嚇してきました。(そこがまた可愛い)
ただ親鳥を撮影したのでは前回と変わり映えがないのでチョットお遊びでお尻の写真を送ります。

続いて保護者の「NISHIHIRAさん」から今日の様子を!
朝、親鳥を見るとなにやら胸元がゴソゴソと動いていました。
雛、元気で〜す。
先日、広島に住んでいる知人(人呼んで鳥博士!)に
キジ鳩の情報を依頼していた返事が今日、メールで届いていました。
巣の特徴、生態、繁殖、卵の特徴等‥詳細に情報を寄せてくれました。
まさに、情報どおりぴったりとあてはまっていました。
それによると、孵化してから20日で巣立つそうです。
たった20日で巣立つなんて、もうすぐではありませんか。
あぁ・・別れが淋しいかな・・・・・。
(出会いは別れの始まりと昔の人はよくぞ言った・・ひしひし・・)

ホーちゃんの後姿はいかが?


6月18日(月)

雛、2羽を確認!

朝、巣を見ると(今や日課)いるいる!2羽の雛が親鳥の胸元で
ひょっこりと頭をもたげて、黒いちっちゃなくちばしを互いについばんで
遊んでいました。(体長、約10センチ)
なんてきれいな黄色い産毛なんでしょう!・・・まだまばらだけど・・・。
その愛らしい姿に見とれて、しばし時の経つのも忘れていました。
私が見た3日前はきっと孵化したばかりだったのでしょうね、
羽は茶色く濡れているようでしたから。

それがどうでしょう、
20日で巣立つのですからその成長のスピードはいかばかりか・・・。
私が二週間でマスターした?鳩語で語りかけると親鳥は、雛の意志を無視して
胸の中に隠そうと懸命でした。
(やはり、鳩語はマスターできていなかった!?)
雛は今日も鳴き声をあげていません。きっとこれも鳥の智恵なのでしょうね。
午後にホーとホッチャン(今だ判別できず)が交代しているのも目撃しました。

まだ餌を運んで与えている様子がないので、きっとハトミルクと呼ばれる液状のものを
親鳥の餌と一緒に与えられているのでしょう。
ちなみに餌として木の実、草の実など主に植物質のものをとり、他に昆虫類も食べるそうです。
(これらの情報は鳥博士による)


6月21日(木)

親鳥たち、雛の巣立ち訓練開始?

昨晩10時頃、突然巣から飛び立つ羽音がし、とても気になったので
懐中電灯を持って巣を見に行きました。
驚きました。巣には雛達だけ!
こんな夜中、可愛い雛たちを置いて一体何処へ?何しに?
すぐに戻ってくるものと思いきや、午前12時になっても戻る気配がありません。
私は寝ずの番を・・・!
と思ったのですが、眠気に負けて寝てしまっていました。

朝一番気になって見に行くと、親鳥はしっかりと雛達を左右の羽の下の羽毛の中へ
一羽ずつ抱きかかえていました。
やれやれ。安堵。

と思いきや、夕方6時から又親鳥は飛び立ったまま・・・今だ巣に帰って来ません。
かれこれ、4時間が経過しました。

巣の中では3日前に見たよりも、ぐんと大きくなってる雛達が今現在2羽、お留守番中。
(黄色い産毛はまだ全身を覆っていますが、縞模様になった羽がしっかりと形成。)

昼間はホーとホッチャンが数回ずつ交替しながら育児をつきっきりでしています。
でも何故・・・夜に?と考えていたら、そうだ!
親鳥は雛達の自立心を養うため、外敵も活動を休止する夕闇の時間からこの訓練を
開始したのでは?と私なりの解答を出してみたのであります。

20日にデジカメで撮った画像を送ります。
よ〜く目を凝らしてみてください。
羽の左下にかすかに雛らしきものが写っています。



7月7日(土、七夕)

感動の最終回

長い間、きじ鳩ファミリーの日記をお休みしていて申し訳ありませんでした。
日記を読んでくださってる方々は、今か今かと巣立ちの瞬間を待っていて
下さっていたのではないかと思います。

ところが、ところがです・・・・・・。
この広い地球の自然界には厳しい法則、掟なるものが現実に存在していたのですね。
保護者の私も2羽の愛らしい雛達が無事に育ち、巣立っていくものと、当然のように思っていました。

ある朝、いつものように日課となった巣を見に行くと、なんとそこには親鳥の姿はなく
そして居る筈の2羽の雛達が居ません。
言うまでもなく、私の鼓動が激しくなると同時に、ホーとホッチャンが揃って目の前に現れ、
私と同様に雛を懸命に探しているではありませんか。
きっと、私よりずーっと何時間も前から探していたのでしょうね。

そういえば、思い当たるふしがありました。
夜中の3時30分頃にウチの愛犬が激しく吠え、私も吠え声で起こされました。
(不審者、不審物、不審音以外に夜中に吠える事はありません・・・たぶん猫!?)
「あの時・・・!!!」

いつもなら地面に降りてくることなどないのに、2羽で降り立ち悲しそうに鳴き続けながら探し回り、
そしてアーチの巣を覗き込み又飛んでは降りを繰り返しています。
その日は一日中、夕昏まで狂ったように雛達を探していました。

あれから・・・毎日、ホーかホッチャンが近くまで来ては鳴いています。

その姿を見、鳴き声を聞くにつけ、私にとってとても辛い日々が続きました。
追い打ちをかけるように、身体の疲れも出て体調を崩してしまいました。
そういうわけで今日まで日記を書くことが出来なかったのです。

悲しい結末になってごめんなさい。

ホーとホッチャン、あなた達に、真のピュアな愛情の深さを教えられました。
子を思う親の気持ちは全世界の生き物共通ということも再認識しました。

   ★   ★   ★   ★   ★

幸いにも、きじ鳩は他の鳥と違い一年を通じて繁殖できるそうです。
ホーとホッチャンもこれにめげないで!

次はアナタの庭でホーとホッチャンを見かけるかもしれませんね。
その時はどうか、優しく見守ってあげてくださいね。

長い間、皆さんありがとうございました。
モグラさん、クリコさん、のんぴさん、モモンガさん、BBSでニョロ避け情報を
寄せてくださった皆さん、温かいご声援を本当にありがとうございました。

今夜の星はとても輝いています。
七夕の夜に、星に願いを・・・・・!!!!!

NISHIHIRAさん、長い間連載いただきありがとう・・・

ハッピーエンドとならなかったのは残念ですが、これも自然の摂理なのでしょうか?

今度、あなたのお庭で「ホーとホッチャン」を見かけたら、連絡下さいね。(モグラ)

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