英国縦断庭めぐりツアー(スコットランド〜湖水地方〜コッツウォルズ) Vol.11
『ウィズリーガーデン』 (RHS Garden, Wisley)
(1) 英国王立園芸協会(The Royal Horticultural Society)
「皆さんは、ホントにイングリッシュ・ガーデンが好きなのね!」・・・前回(2002年)のツアーに同行してくれた“O西さん”が、フランスで口にした言葉です。 モグラを筆頭に、多くの皆さんがイギリスの庭に憧れ、イギリスに範を求めてきたことでしょう。(異論反論!オブジェクション!!この議論を極めたい方は、モガ狂のBメモGから、日本G方向性と園芸とガーデニングの違いをお読み下され。) ガーデニングの本場“イギリス”でも、200年以上にわたって「イギリスらしい庭づくり」についての議論が続いています。こんなイギリス流こだわりは、ガーデニング文化を支える“3つの組織”が作られたことからも明白で、良き伝統は今日まで引き継がれています。 |
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(2) 全英庭園機構(NGS) ・1927年に設立、まもなく80年を迎える ・本部はロンドンの南、サリー湖や牧草地の広がる静かな公園にある ・40分間見応えのある庭がNGSの基準 ・全英3,500ヶ所の個人庭園を公開 ・王室との関わりも深く、パトロンはチャールズ皇太子、総裁はプリンセス・アリス妃殿下が務められる ・収益金は病院看護協会などの支援に |
(3) ナショナル・トラスト(NT)
・248千haの土地を所有 ・歴史的建造物(165)、海岸線(909km)、
城(19ヶ所)、庭園(183)などを所有 ・所有権はなくなるが、居住権を有する
・寄付行為に優遇税制が適用される
・会員270万人、ボランティア37,000人
・国家機関ではなく“国民の組織”
・“1人が1万ポンドを寄付するより、1万人が1ポンドずつの寄付を!”がモットー |
英国王立園芸協会(略称:RHS)は、園芸の普及と発展を目的とした公益団体で、1804年に設立されました。総裁は、エリザベス女王が務められ、本部はロンドンのビンセントスクエアにあります。 全世界の会員数は約34万人、世界で唯一の直轄支部日本支部が、日本在住の会員向けて、さまざまな活動を展開しています。 私たちがRHS創立200年を祝うウィズリーガーデンに訪問したのは2004年7月のこと。 帰国までの短い時間でしたが、広い庭を駆け巡りました。 |
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このウィズリーガーデンの園長「ジム・ガーディナーさん」が岡山にお越しになったのは、今から3年前、2002年6月のこと。あの有名なロングボーダー、ローズガーデン、針葉樹の森、モデル庭園、ロックガーデンなど、ウィズリーの庭をスライドでご紹介くださいました。(らしい・・・残念ながら、モグラは渡英中で参加できなかったのだ。・・・ざんねぇ〜〜〜ん。) で、当日の様子は、OWLさんのサイトgarden a la owlに譲ることにしましょう。「ウイズリーガーデン園長による特別記念講演」を見てね。 |
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話変わってつい先日、モグラは姫のお供で東京藝術大学美術館を訪れました。「英国王立園芸協会(RHS)」創立200周年を記念して、日本支部(RHSJ)が開催している「500年の大系 植物画 世界の至宝展」を見るためです。 聞くところによると、ロンドンのRHS本部に近い「リンドリー図書館」に収蔵されている秘蔵の植物画“2万数千点”の中から、厳選した129点の植物画(ボタニカルアート)を公開しているという。しかも「本邦初公開」と聞けば、行かねばなるまいて!! |
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展示されているボタニカルアートは、お見事!の一言に尽きまする。植物画の出発点になった16世紀の植物図譜から今日まで、500年にわたる植物画の大系を一望できるのです。 古代から文様として使われていた植物モチーフから植物画が誕生し、大航海時代に世界中の植物を描かれるようになり、植物画の黄金時代を迎えます。その後、植物画としてのジャンルを確立しますが、次第に衰退。技術と伝統が継承されながら、ルネッサンスを迎えます。 |
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詳細に植物を観察していくうちに、花・実・根など緻密に描くようになりました。そして18世紀には、世界中から持ち帰った植物によって、英国に園芸ブームを巻き起こります。
「ガーデニング 200年の歴史」を遡るには、ボタニカルアートを知るべし! 「植物画 至宝展」は、6月の東京を皮切りに、7月23日(土)〜9月4日(日)には「神戸・小磯良平美術館」に会場を移し、その後、福岡「アイランド・シティ」で開催される予定です。 |
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長々とおしゃべりしている内に、スペースが無くなってしまいました。ウィズリーガーデンの詳しい説明は、イギリス・ガーデン巡り Vol.13「RHSJ特集」 をご覧下され。 「手抜きだ〜。(^_^メ)」というご批判にお応えし、お二人のレポートをご紹介しませう。(やっぱり、手抜きだぁ〜〜) |
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最終日、英国王立園芸協会「ウィズリー ガーデン」へ。ボーダーガーデン見学中に突然の土砂降り! 道の上が川か滝のように水びたし。 なのにコーヒータイムの後、ホンの少しの時間差なのに足元の小道が乾いている! 雨が降っても乾燥しているって、こう言うことだったのですね!(Nさんのレポートから) |
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まだ幼い3歳くらいの女の子が「フラワー!ルック、フラワー!」と嬉々として叫び、飛び跳ねています。その傍では、貸し出しの車椅子を押されて、ゆったりと庭園巡りをしているご老人・・・・。 その横顔をちらとうかがったら、思った通り〜とても満足な笑顔。 そうやって、幼い頃より美しい自然や花に親しみ、愛しむ心が育つ環境がイギリス全土にある。 古いものに対する美意識や価値観、ナショナルトラスト運動やRHSも違和感なく受容できるはずだと確信した。そして、オープンガーデンも、その延長線上にあるのだと。(Aさんのレポート) |
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