英国縦断庭めぐりツアー(スコットランド〜湖水地方〜コッツウォルズ)  Vol.5

    
インバレスク・ロッジ ガーデン』
 (Inveresk Lodge Garden)



イギリスの朝食は、美味しいよ!
 ツアーも今日で4日目を迎えました。3連泊したホテル“エーペックス・インターナショナル”は、エジンバラ城の近くにあり、素晴らしいロケーションです。

 レストランはエジンバラ城の目の前で、お城を見ながらの朝食は最高でした。最初の朝は「フル・ブレックファースト、プリーズ」と注文し、よく食べられた皆さん。(イギリスは何処も朝食が豪華です。まず、冷たいジュースやフルーツ、シリアルなどで胃を起こし、カリカリのトーストと暖かい料理が運ばれてきます。ちなみに“フル・ブレックファースト”とは、好みの玉子料理と、あとはベークドしたトマト、マッシュルーム、ソーセージ、ベーコンなど7〜8種類が出てきます。そう、忘れてならないのが“ブラック・プディング”で、血が入った黒い詰め物。スコットランドらしいメニューと言えば、“キッパー”と呼ばれるニシンの薫製でしょうか。)

 3日目にもなると“フル・ブレックファースト”をさっさと卒業し、皆さん、お好きなものだけを少し食べられるようになりました。そして、食後の散歩にエジンバラの中心街に出かけ、楽しんでおられます。(そうそう、今朝は早めにチェックアウトを済ませ、2つの庭を午前中に訪問するので、先を急ぎましょう。)

 

↓ 「Map」(クリックすると大きくなります)
 
 エジンバラから南東へ、歴史的な村“イースト・ロージアン(East Lothian)”を目指し、インバレスク村に到着です。インバレスク・ロッジ・ガーデンで頂いたパンフレットに“ローマ軍と和解した教会(St.Michaels)”のことが書いてありました。
 今話題の映画“キング・アーサー”は、ブリテン島がローマに侵略・支配された紀元43年以降で、5世紀の話しです。抵抗する北の氏族《ウォード》 を防衛するためローマ軍がブリテン島中北部に築いた「ハドリアヌスの城壁(湖水地方の北、カーライルとニューキャッスルあたりの東西を結ぶ城壁、紀元122年から建築)」や、北部のアントニウス城壁(グラスゴーとエジンバラを結ぶ城壁、140年)」。スコットランドとイングランドの国境付近を舞台に、傭兵としてブリテン島に入ったサクソン人、ローマ帝国、ウォードの3つの勢力が混迷を極めていました。410年、ローマ軍は本国の事情もあって撤退するのですが、アーサー王が実在したとすれば、この頃のことです。
 なんとも、こんな時代背景から書いてあるパンフレットでした。 
 でぇ〜、ロッジが出来たのは1683年。メディアエバル家(Mediaeval)が所有し(延々と書いてありますが途中省略。)1910年、Mr & Mrs. Bruntonが、4人のガーデナーと庭づくりを開始しました。

 1959年からNTSが維持管理することになり、デザインし直して現在に至っています。でも、戦争中は野菜畑になったようですよ。

 長々と歴史にお付き合い下さりありがとう。素晴らしい庭が見られる、“平和な世の中”が一番ですね。
 ガーデナーさんの説明を聞きながら“インバレスク・ロッジ・ガーデン”見せて頂きまししょう。

 “インバレスク・ロッジ・ガーデン”は、陽あたりの良い丘の斜面に造られた庭で、グラハム・トーマス氏によって選ばれたオールドローズやシュラブをはじめ、色彩やかなプラントが植えられていました。右の写真は、しもつけと カンパニュラ・トラケリュウム・アルバでしょうか?
 入口を入ると目の前に広い芝生が拡がります。そう、Mapではご婦人がクロケットをしているでしょう。(スコットランドと言えばゴルフを連想するそこの御仁、残念ながらクロケットですよ。)

 そして南側の階段を一段下りると、濃い色のラベンダーが目に鮮やかです。

 ←写真奥、塔の形に見える“日時計”がフォーカルポイントになっています。
 “ラベンダー”の香りに誘導され、日時計のオブジェまで歩きましょう。そこを右に曲がると舞台が一変し、今度は“ホワイト・ボーダー”が現れます。

 左右に“ムラサキブナ(Prunus cerasifera 'nigra')”の単植垣を配置し、ボーダーには銀葉や淡い青緑色のホスタを配置、セントランサスが可愛い花を付けています
 この色合いの豊かさが素晴らしいですね。  
 ホワイトガーデンを下り、“ボーダーガーデン”を見ながら、ハウスの近くに、黄色のクレマチスを見かけました。

 2階の屋根まで届きそうな大株です。“クレマチス・ビル・マッケンジー”でしょうか?
 黄色の花とともに、開花後の綿毛も綺麗ですよね。 
 “アザレア・ボーダー”の突き当たりにブランコの椅子がありました。そこを通りすぎると、急に牧草地が現れ、柵の奥に一頭の白い子馬を発見。賢そうな目を私達に向けて“ウィンク”してくれました。(なんて可愛い白馬でしょう!人に愛されて育つと、こんなにも優しい目になるんですよね。)

 言い忘れましたが、入口近くのコンサバトリーはエドワード7世時代に造られた温室です。最近、修理され“鳥の飼育場”として再利用されています。
 帰り道は“ピクニックエリア”を散策し、ガーデナーさん、“いちおし”の場所へご案内します。

 途中の“イースター・ボーダー”も見応えがありましたが、庭の奥で見つけた“ヒマラヤン・リリー”は、今まで見たこともない大きさ。
 高さはゆうに3mを越え、遠くからでも“甘い香り”が漂います。ユリとは思えない丸い葉っぱで、大きな花を沢山付けていました。

 何度もトライして、今まで一度も咲かなかったのですが、3度目の正直、ここに植えて3年目で、始めて咲いたユリです。2004/08/11 大分チェルシークラブの「バーバさん」に名前を教えて頂きました。 「Cardiocrinum giganteum」

 なお“ブルー・ボーダー”は、8月が見頃です。 

↑クリックすると大きく花の写真になります。
 “インバレスク・ロッジ・ガーデン”もう一つの楽しみは、数多くの椅子でしょうか。

 斬新なデザインもの、白馬の近くにあった“ブランコの椅子”、芝生エリアには“手押し車”の形をした鉄製の椅子・・・

 数え上げればキリがないほど数多くの椅子で、憩いの一時を過ごしました。

 (おいおい、何か一つ忘れていませんか?)
 グラハム・トーマス氏に選ばれた“オールドローズ”はどうした。(あちゃ〜ばれてしまいましたか?)

 何を隠そう、可愛そうにインバレスク・ロッジ・ガーデンのバラは、開花できず蕾のまま立ち枯れていました。今年は、5月下旬から6月まで暑い日が続きました。慌てたバラたちは“さぁ〜咲くぞ”蕾を膨らませたトタン・・・・7月に入ると天候が一転、寒さがぶり返したのです。
 哀れ“オールドローズ”は、蕾のまま“シュラブローズボーダー”に佇んでおりました。

Inveresk Lodge Garden
24 Inveresk Village, Musselburgh, East Lothian, EH21 7TE.

訪問日:2004/07/05(mon) 天気:晴れ時々曇り
HP:http://www.nts.org.uk/

“インバレスク・ロッジ・ガーデン”の圧巻は、何と言っても巨大な“ヒマラヤンリリー”でしょう
が〜、メモを忘れております。どなたか名前をご存じの方はご一報下され。・・・(モグラ)


2004/08/11 追伸」↑とお願いしていたら、早速、大分チェルシークラブのバーバさんから、「ひょっとしたら、Cardiocrinum giganteumというのでしょうか?」と教えて頂きました。

ピッタリです。→ トンプソンモーガンのサイト

サーチエンジンで捜したら、白色の他に色違い(黄色)もあるようです。

 ヒマラヤ山脈、ネパールから中国南西〜北ビルマまでに自然分布し、1600〜3300mの高地の湿った森林に育つ。種子から育て、開花までに5〜7年かかる。心臓の形をした葉で白い花(花の中心部はえび茶色)は美しく、しかも芳香性あり。

おかげさまで、疑問が氷解しました。バーバさんありがとうございました。・・・(モグラ)


  訪問日程表  (1)ハモンドさん  (2)ブランクリン  (3)グリーンバンク  (4)ゲイルストン  (5)インバレスクロッジ
(6)マレニー  (7)ビーチグローブ (8)ウーラートン前編  後編  (9)デビッドオースチン  (10)ルガース
  (11)ウィズリー  特別寄稿“旅の半ばで”  “湖水地方の思い出”  
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