英国名園&プライベート・ガーデン巡り2008(9日間の旅)  Vol.1

  
ザ・マナー ヘミングフォード グレイ』
 (The Manor Hemingford Grey) 


モグラの「イギリス庭めぐり」中断のお詫び・・・今年こそ・・・。ヘ(^^ヘ)(ノ^^)ノ 
 すっかり、ご無沙汰しております。2006年の「イギリス名園とプライベートガーデン巡り」から、早や2年が過ぎたのですね。モグラの1年間は、何故か年々早くなる今日この頃です。
 今年も26名のご参加を得て、行ってきましたイギリスへ・・・

 今回こそ、途中でへこたれることもなく(?)レポートが続けられるよう祈って再開しましょうかね。
 ツアーの途中、ガイドのFurukawaさんが「1年前から準備を始め・・」とおっしゃってましたが、メールの履歴をたどりながら、1年間の準備の様子をご紹介しましょう。

 2007/06/27・・BISESのツアーが終わった直後から来年の準備開始・・・(鬼もあきれる)
 2007/07/06・・◎:どうしても行ってみたいところ、○:出来るだけ行きたいところと「訪問庭リクエスト」
 2007/07/12・・概略の訪問先、スケジュールをもとに現地エージェントと交渉して貰う。
 2007/08/29・・ツアーとルートとホテルの大筋をメールで頻繁に相談しながら検討。
 2007/09/03・・参加者 20名でホテルを予約 。「ローズ オブ ザ マナー」は予約できず(断念)
 2007/10/15・・ハロゲート、湖水地方、チッピング カムデンのホテル決定(食事内容が決め手とか?)
 2007/11/08・・ツアーのタイトルを 「庭めぐり & バラエティツアー」に。(ジョークでっせ!!)
 2007/12/25・・メリークリスマス (BISESツアー予定を見ながら、出発日決定、大韓航空に予約)
 2008/01/03・・明けましておめでとう (訪問庭でお茶を![Teas]相談) YB役員会で募集承認
 2008/02/01・・旅行社も決定して、本格的な「募集開始」 02/24の総会でツアー参加の呼びかけ
 2008/03/11・・まずは第一段階の「参加者15名」を越えて「ツアー催行決定」お見事!
 2008/04/10・・一部、訪問庭を変更。ミュージカル(オプション)などに意見百出!(困った)
 2008/05/03・・ミュージカルとパーティの予約開始。25名を越えKALとホテル予約が取れず。(--;)
 2008/06/09・・無事、最終案内を参加者に発送。 06/21・・総勢26人のイギリス庭めぐりへ出発。

著者:ルーシー・M・ボストン夫人による
  「グリーン・ノウ」シリーズ
  1.「グリーン・ノウの子供たち」
  2.「グリーン・ノウの煙突」
  3.「グリーン・ノウの川」
  4.「グリーン・ノウのお客さま」
  5.「グリーン・ノウの魔女」の全5巻、
  別巻に「グリーン・ノウの石」のこと。

 実際に存在するイギリス最古の屋敷でボストン夫人の実際の住処であった「マナーハウス」を舞台に、12世紀から20世紀をまたにかけるファンタジー児童小説。他に、「ふしぎな家の番人たち」など著書多数。
 
 正直やさんの「モグラ」は、幼い?少年・少女と一緒に「グリーン・ノウ・シリーズ」の舞台になっている「マナーハウス ヘミングフォード グレイ」に向かっていた。
 バスの座席のすみに座って外を眺めていると、ふいにバスが停まった。バスの運転手トニーさんと、ガイドのボギスさんが、ランプを手に持ち「ノアの箱舟」を捜している。
 今日の「グリーン・ノア」は洪水ならぬ、ひどい風が吹いていた。よい子の少年・少女はトニーさんに促されてバスを降りた。
 緑、鮮やかな広いフットボール場を横切り、パブリック・フットパスを抜けていった。モグラが「まだ遠いの?」とボギスさん聞くと「それほどじゃないよ。」と言われて安心した。
 オールド・ノウ夫人は、今、ここには住んでいないが、「グリーンノウ物語」の作家、ルーシー・M・ボストン夫人の長男「ピーターさんとダイアナさんご夫妻」が住んでいた。

 フットパスを抜け、茅葺き屋根の前を過ぎると「マナーハウス ヘミングフォード グレイ」があった。
 トピアリーが並ぶ庭の前で、ダイアナさんが、にこやかに迎えてくれた。
 建物のボードを持ってダイアナさんが説明してくれたが、このマナーハウスは1120年に建てられたそうだ。
なんと、イギリスでも最も古い建物の一つなのだ。

 彼女の後ろに見える、とんがり帽子の3階建てが物語の舞台で、当時、2階に玄関があり、ハシゴで出入りしていたらしい。
 左側の白い建物が増築され、今はここが玄関になっている。
 ダイアナさんは「皆さん、何を求めてここに来たの?」と聞いた。
 よい子のみんなは、「お庭を見せて貰いに!」とか、「オールドノウ夫人やトーリーを尋ねて来たの。」、「ボストン夫人のパッチワークを見せて欲しいわ。」と口々に話した。
 ダイアナさんは満足そうに「時間はどれくらい?」と、ガイドのボギスさんに聞いたら「30分くらい?」と答えた。モグラは「チョット、短いかも?でも、それでもいいや。」と思いながら、2つのグループに分かれて、家の中を案内して貰うことになった。
 「残りの皆さんは、先にお庭を見て下さい。奥に“シークレット・ガーデン”があるから、見逃さないでね。」
 ダイアナさんに案内されて、モグラと最初のグループが家に招かれた。「まあ、待っててごらん!あなたがここに来たんだから、この家の中を、上も下も探検して、すみずみまで、知りつくすと良いわ!」と言ってくれた。

 白い壁の玄関を入るモグラは、物語の主人公「トーリー」になりきっていた。物語の通り、木彫りの子供像、花瓶、鳥の巣があった。奥の部屋は大きな暖炉がある「食事室」だ。トーリーが初めてオールドノウ夫人に会った場所がこの部屋で、ボストン夫人は暖炉の前でパッチワークや物語を執筆していたそうだ。

 そうそう、この部屋の壁は1メートルを超える厚い石造りで出来ている。夏は涼しいが、冬の寒さはとてつもなく厳しい。
 ボストン夫人の子供達は「この家に暖炉が一つしか無いなんて!年寄りには厳しすぎる。もっと近代的なストーブを入れるべきだ。」と薦めたそうだが、彼女は「この家には、この暖炉が一つあればいい。新しいモノは必要ない」と言い切ったそうな。
 お客さん用の寝室には、ボストン夫人が冬の間に作った「パッチワーク」が、何枚も、積み上げられていた。
  ダイアナさんとガイドのボギスさんが、白い手袋を付けて、一枚、一枚、大事そうにめくりながら説明してくれた。

 この作品の見事さは、素人のモグラでさえ分かるほどだ。古い生地を見事に使い、幻想的なデザインでモダンなパッチワークを創り上げる根気と熱意には脱帽するしかない。 
 戦時中など、材料が不足したときは、古いリネンを使ったりしていたようだが、チョット見ても分からないほどで、チクチク愛好家の皆さんが「是非、ここに、行きたい!」と言った理由がやっと分かった。

 ボストン夫人は、1892年生まれだが、「グリーンノウの子どもたち」の出版は1954年。彼女が62歳の時で、かなり遅いデビューである。挿し絵は、息子の「ピーター・ボストンさん(1999年に死去)」が担当している。
 晩年、彼女は針に糸を通すことも困難になり、孫達が学校に行く前「今日、刺せる分だけ糸を針に通して貰う」ことを日課にしていた。1990年3月1日、ボストン夫人は、 発作に見舞われ麻痺が残る。その後はほとんど話す事ができなくなり、同年5月25日 ケンブリッジシャー州で死去、享年97歳。
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 パッチワークを見ている間に、約束の30分は大幅に超え「次のグループと交替しなきゃ。」と表に出かけた。
 その時、誰からか?「上の階は?」の声が・・・ダイアナさんは、ウィンクしながら、2階へと案内してくれた。

 2階の「音楽室」には、1930年代の「蓄音機」があった。第二次大戦中、近くに英国空軍の基地があり、軍人さん達にレコード鑑賞会を、この部屋で行っていたらしい。
 「さぁ〜、みんな座って!」と促され、思い思いの場所に座ると、大きなラッパを動かし、手回しハンドルでゼンマイを撒き、レコードを演奏してくれた。「針は日本の竹が一番なのよ。毎回、先をカットしなきゃならないけど、今でもいい音がするでしょ。」と、特等席に座ったモグラは、クラシックを堪能させて貰った。
 最上階の3階は三角屋根の子供部屋。トーリーが寝泊まりした部屋に違いない。ベッド脇のオモチャ箱を開けると、そこには物語があった。
 いたずらっぽい目をしたダイアナさんから「黒檀のネズミ」を握らされた○○さんは、目に涙を浮かべ。「この箱は何が入っているのかな?」の問いに「フルート!?」と答えた△△さんは、得意げ・・・ピーターさん・ダイアナさんご夫妻は、ここがいつもでも物語のふるさとになるよう、常に気を配ってきたのだ。
 ルーシーさんは庭づくりにも力を注いだ。ここに来たときは何もない野原だったが、最初に植えた8本のイチイが大きく育ち、戴冠式のトピアリーに仕上がっている。豊かな緑と美しいオールドローズの庭を抜けると、そこが正面入り口だった。ルーン川に2匹の白鳥が優雅に泳いでいた。


The Manor Hemingford Grey & Garden
The Manor,Hemingford Grey,
Huntingdon,Cambridge shire,
PE18 9BN ENGLAND
Tel: 01480 463 134,Fax: 01480 463 026

Public opening times:
Visitor Information参照
Admission prices:House, Museum & Gardens
Adults £6.00, Children £.2.00 OAPs £4.50

訪問日:2008/06/22(sun) 天気:晴れ
HP:http://www.greenknowe.co.uk/

幼い頃から児童書など読んだこともなく、林望先生が留学中に寄宿していたと言われても「あっ、そう!」と素っ気なく。
「ヘミングフォードグレイに行きたい」と言われてもそこは何処?Furukawaさんから「マナーハウスでしょ」と言われても??
そんなモグラでしたが、帰国して読んだ「グリーンノウ物語」は、今更ながらとても面白かった。
今はやりの「子供だましで、そんなのあり得ない!」という小説じゃなくて、この年になっても想像力を豊かにしてくれる。

2008年版「英国名園とプライベートガーデン巡り」の始まり。さぁ〜、今回はいつまで続けられるのか?不安の再出発・・
ま、取りあえず、続編も乞うご期待・・・かな???(モグラ)


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