英国名園&プライベート・ガーデン巡り2008(9日間の旅)  付録-2

    
湖水地方』
 (The Lake District) 


湖水地方のホテル 「マクドナルド リーミング ハウス アルズウォーター」  
 美しい湖とイングランドの最高峰「スカフェルバイク(標高:978m)」をはじめとした山々が連なる「湖水地方」
 この旅の企画者(決してモグラではありませんぞ!。もっと、もっと、実力と実権を持ち、発言力の強い●×▲姫こそ、真の企画者なのです・・ハイ、モグラは僕(しもべ)。)は、この湖水地方をこよなく愛し、毎回の如く「湖水地方」と「コッツウォールズ」を組み込むようにと、強い圧力を感じております。ま、そんなことで今回も湖水地方に訪れ、今宵は僅か40室のプチホテルへ。このホテル、アルズウォーター湖畔まで続く20エーカーの庭を持ち、ボートの“船着き場”はもちろんのこと、“ヘリポート”まであると言う優れホテルです。

「旅行社のパンフレット」には「↓↓」のように紹介されています。
 湖水地方、アルズウォーター湖の近くに位置する全40室のプチホテル。200年ほど個人の邸宅だったものをホテルに改装した。やや古びた趣きある外観。ホテルはクラシック・ヨーロピアンスタイルの高級インテリアでまとめられており、美しい柄の家具やファブリック、壁に飾られた写真や絵画など、いろいろな調度品も楽しませてくれる。。『リージェンシー・レストラン』は受賞経験もある評判のレストラン。鉄道のペンリス駅から約13km。
部屋から見たアルズウォーターと、広大な庭 庭から見たホテル。プチホテルならではレストランもサービス満点 歩いて15分(?)、ホテル専用の船着き場に到着。

Macdonald Leeming House Ullswater
(マクドナルド リーミング ハウス アルズウォーター)
 Ullswater, Nr. Penrith, Cumbria CA11 0JJ ,U.K. .
 Phone: 44-1423-700300 Fax: 44-1423-502283  客室数: 41, Mini Suite:1室
 HP:Macdonald Leeming House Ullswater(マクドナルド リーミング ハウス)

 
↓ 湖水地方の「Map」(クリックすると大きくなります)

 『湖水地方』をこれ程まで、有名にした二人とは?

 昨年、封切りされた映画『ミス・ポター』で一大ブームになった「ピーターラビット」の作者“ビアトリクス・ポター”と、桂冠詩人“ウィリアム・ワーズワース(William Wordsworth) ”がその人です。
 ポターさんに関しては、2004年の湖水地方は“人生を変えた”出会いの地!をご覧頂くとして、今回は、生涯のほとんどを湖水地方に住み、この地をこよなく愛したワーズワースの足跡を尋ねるとしましょう。

 ワーズワースは、湖水地方の北西部「コッカマス」で1770年4月7日に生まれました。(↑湖水地方の「Map」をご覧下さい。位置関係がよく分かります。)幼いときに両親を失い、9歳の時からホークスヘッドのグラマースクールに通い、その後ケンブリッジ大学に進学します。
 ここを卒業後は、フランス・ドイツ・イギリス国内を転々としながら、詩の創作活動に励みました。
「ホークス ヘッド」
漆喰の白壁にハンギングが似合います。
 29歳の時(1799年)、妹のドロシーとともに湖水地方に帰ったワーズワースは、アンブルサイド (Ambleside) とケズィック(Keswick) の間にある、グラスミア(Grasmire)に落ちつきます。グラスミアの村はずれにある鳩小屋のような小さな家「ダヴ・コテッジ」には、ロンドンなどから、多くの文学者や芸術家が訪れたと言われています。(この時の質素な生活の様子はこちらをクリック)
 そして、湖水地方の美しい風景をモチーフに、ロマンティックな詩を発表していったのです。(と言われていますが、かの有名な“ウィキペディア”には「イギリスに帰国したワーズワースは、湖水地方に居を構える。詩人ロバート・サウジーの住居のすぐ近くであった。ワーズワース、サウジー、コールリッジらは「湖水詩人」として知られるようになる。しかし、この時期、ワーズワースが書いた詩の主題は、主に死や別離、忍耐や悲しみに関するものであった。」と書かれています。ホンマかいな?)
と言いつつも、ダヴ・コテッジに住んでいる八年半の間に、ワーズワースは「プレリュード」など、殆どの代表作を執筆しています。→右は、2004年に訪問したときの写真です。今も「ワーズワース・トラスト」が管理しています。隣の「ワーズワース博物館」には、自筆の原稿や肖像画などが展示されていました。

「ダヴ・コテッジ」

「ライダルマウント」
 あまりにも狭すぎたダヴ・コテッジに別れを告げ、しばらく、グラスミア周辺の教会や家に住んでいたワーズワースは、1813年に「ライダルマウント」に“終の棲家”を見付けました。
 ここはグラスミアとアンブルサイドの間にある風光明媚なところで、この家から、ウィンダミア湖とライダルウォーターと、二つの湖が見える絶好のロケーションです。(今までの狭いダヴ・コテッジに比べると豪邸に引っ越したようなもんですわ。)
 ↓この庭は、ガーデニング好きだったワーズワース自らがデザインしたと言われています。庭の広さは1.8ha程。決して大きくはありませんが、美しく、心温まる庭です。庭の中間あたりにライダルウォーターがチラッと見えます。
 そや!はなっから予定になかった「ライダルマウント」に何で立ち寄ったか話してませんでしたなぁ。これ読んではる方、皆ぃ〜〜んな首かしげてはりますがな・・・草若師匠、出番でっせぇ〜〜♪
 ♪妻は夫を慕いつつ、夫は妻を労わりつ・・♪ころは6月中の頃、夏とはいえど片田舎♪。…チョット、草若はん、それ浪曲と違いますのん?? おぉ〜そやった。

 それがあんさん「ヨークシャー・デール」を通って湖水地方へ向かったは良いが、そのままホテルに入るのも芸がない。さりとて自由時間を取るほどの時間もない(ベンベン♪)それは何かと尋ねたら「お〜そうじゃ、今なら間に合う“ライダル・マウント”てなことで、みぃ〜んな一緒にやってまいりました。
(閉館間際だったので、係員が“やきもき”してましたわ。)
 と言うことで、係の人も「どうぞ、自由に見て下さい。」と言ったまま説明も無し。ガイドさんに渡された説明用紙を持って室内へと入ります。
 今は、ワーズワース・トラストの持ち物になっていますが、ワーズワースの死後、この家は売られて他人のものになっていました。その後、ひ孫が1968年に買い戻し、生誕200年にあたる1970年4月から一般公開されるようになりました。

 家の中は、ワーズワース一家が住んでいた当時の様子を再現し、一家の肖像画やワーズワースの遺品などが飾れています。
 ライダル・マウントの魅力は、この庭と屋敷だけではありません。

 ダヴ・コテッジから、ライダル・マウントに至る道すがら、素晴らしい光景が広がります。森の緑が水面に映えるライダルウォータ−の美しい眺め、時折聞こえる鳥のさえずり、ガーデナーが手入れをするハサミのリズミカルな音、そして木々を吹き抜ける風の音・・・それら全部をセットにして初めてワーズワースの魅力が分かってくるのです。

 だからこそ、湖水地方はツアー企画から外せないのです。

「聖オズワルド教会」に眠る一家

「グラスミア(Grasmere)
 ワーズワース一家の生活拠点だった「グラスミア村」には、作品のテーマになった「森」「湖」「山」「谷」があります。
 ワーズワースはダヴ・コテッジからライダル・マウントに移る前「アランバンク」に引っ越し、その後、村の教会の敷地内にある「レクトリ-」に入居していました。残念ながら、この二つは一般公開されていませんが、ワーズワースの思い出がしっかりと刻み込まれています。

 ワーズワースは1850年4月23日、この時代では長寿と言える80歳で亡くなりました。彼が生前最も好んだグラスミア村の中心に位置する「セントオズワルド教会」の墓地に、妻のメアリーや、妹ドロシー、そして子供達と一緒に眠っています。
 彼が亡くなる6年前(1844年)、ケンダルとウィンダミアの間に鉄道建設計画が進みます。彼は、湖水地方の景観を壊すこの計画に猛反対し「モーニング・ポスト」に投稿したことが契機になって鉄道敷設計画が中止になったのです。(ここに来る途中、Garsdale Headですれ違った鉄道が、湖水地方にまで乗り入れる計画だったのです。)
 このようにワーズワースが「湖水地方の自然保護活動」を最初に行った人であるなら、彼の意志は多くの人々に影響を与えました。
 ワーズワースの遺志を引き継いだ“ジャン・ラスキン”と、その弟子である“ハードウィック・ローンズレイ司教”が、ナショナル・トラスト設立に繋がり、ピーターラビットの作者“ビアトリクス・ポター”は、印税収入で購入した土地や農場をナショナル・トラストに寄付したことで、永遠に保存されることになったのです。
 
 この湖水地方をイギリス全土に知らしめる最初の功労者が“ワーズワース”なら、“ビアトリクス・ポター”は、ピーターラビットによって、湖水地方を全世界に紹介した功労者と言えるでしょう。

「ヒルトップ」
 6月24日(火)の午後、レベンスホールを訪問した後で、ホウクスヘッド村に戻り、自由時間を取りました。
 ある人はパブに入り、でっかいステーキとビールに舌鼓を打ち、ある人はFurukawaさんが交渉してくれた小型タクシーに乗って「ヒルトップ」へと向かいます。折角のチャンスでしたが、残念ながら16時以降でないと入館チケットが手に入らなくて、泣く泣く断念したとか・・・残念でしたね。これもひとえに「映画 ミス・ポター」の影響と、お察し申し上げます。(ハイ)・・・この2枚は、昨年、訪問した時の写真です。

 その後グラスミアに移動。ガーデンセンターに立ち寄ったり、トレッキングの専門店、有名なジンジャーブレッドの店に行ったり・・・湖水地方を思う存分、満喫しました。


訪問日:2008/06/23(fri)〜06/25(wed) 
HP:http://www.kosuichihou.com/

この項は尊敬すべきライター&エディター「木谷朋子さん」執筆の「湖水地方」を参考にさせて頂きました。
何度も湖水地方に出かけましたが、今回ほどゆっくり出来たことはありませんでした。
ゆったりしたスケジュールと、我が儘ツアー、さらに最上級のホテルにも大満足・・ありがとう古川さん。(モグラ)


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