英仏庭めぐり レポート

●●●●●「サンハウスで涙・涙・涙」●●●●●


Nishihiraさん


 20年来私の憧れの地でもあった、10日間の英仏庭園巡りツアー企画は、月一回の通院と毎日薬が手離せない私にとって、果たして無事にスケジュールについていけるかどうか、とても不安でためらいがありました。

 そんなためらっている私に「好きなことには力がでるものよ!」と、またまた、勇気百倍の励ましの言葉を頂き、ついに私はこの旅を決心したのでした。「いざ、行かん!イギリスへ!」

 初めて乗る飛行機の不安も束の間、イギリスに到着してからというもの、私自身、どこからこんなに力が湧いてくるのか不思議なくらい、エネルギッシュに行動していました。
 異国は人を変える!?


 行く先々の訪問先の庭園は、私を裏切ることなく、毎日毎日、感嘆符を放ちながら過ぎていきます。不安なんて何処へ?
旅はすっかり私の癒しの糧となっているのでした。

 庭園巡りは言うまでもなく、バス(長距離バス=Coach)での移動も楽しみのひとつとなり、バスの車窓から映り行く大パノラマの田園風景の美しいことと言ったら!麦畑やじゃが芋畑はまるで緑のパッチワーク。真っ赤なポピーも時折出現して、そのコントラストの艶やかさに皆が一斉に「うっわぁ〜〜、きれい!」とまたもや感嘆の声。

車窓から見える「真っ赤なポピー」 「ローンデージー」

疲れて眠い筈なのに、目を閉じているのがもったいなくて、移動中も延々と続く丘陵地を飽かず眺む私なのでした。
 沿道には、エルダーフラワーやピンクの野ばらが自然な垣根を作り、青々とした草や芝生の中から愛らしい真っ白なローンデージーが、ひっそりと咲いている姿も印象に残った景色の一つです。

 バースの町並みはまるで時が止まっているかのようですし、チッピンカムデンの茅葺屋根の家々はおとぎの国の世界。(不思議の国の、遅刻うさぎが今にも走り出てきそう)

 さて、私にとって今回の旅の最も感動のピークとなった場所。サンハウスでの出来事を皆さんにお話しておきましょう。

 イギリスでの6日目。午後からは広大な名園を2つ残すだけで、その夜はパリへと旅立つ朝。英国東部はサフォーク州、ロング・メルフォードという由緒あるメインストリートにある、モリーン・トンプソン夫人のお庭へとバスは走ります。7年前の「BISES」にも紹介され、皆さんもお気に入りのお庭の一つでは?

 英語が苦手な私達に、それはそれはとってもゆっくりのテンポで、ここまでのお庭完成までの経緯や、一つずつの花木の名称を何度も立ち止まりながら、熱心に説明をしてくれるモリーン夫人。エレガントな身のこなし、その優しい瞳の奥からは、植物に対する愛情がしっかりと伝わってきました。

 全体的に淡い色調でおさえた、シックで可憐な印象のするお庭。
私は雑草や小石、古レンガの並べ方、ラベンダーの根元に舞い落ちているビンクのシャクヤクやバラの花びらまでにも感動し、何度も何度も庭園の小道を歩きました。
どのコーナーも、モリーン夫人の優しいセンスのカラーが出ており、その花色の調和にうっとり・・・・・。

 いつしか、あの巨大なニセアカシアの木(樹齢約160年!) の下にたどり着いていました。あまりの心地良さから、深呼吸をした時・・・その時! 私をここまで導き、見守ってくれていた悦子さんと視線が会いました。その視線は私に「よかったね!ここまで元気で来られて! ステキでしょ!」と、言葉こそ聞こえないけれど、うなずくような笑顔の表情と、まなざしに触れた途端・・・・・突然涙が、大粒の涙がこぼれ、そして溢れ出し、悦子さんに駈けより肩をかりて、子供の様に泣きじゃくった私。
 
 その涙のわけは・・・・・3年半前突然の大病をし、後遺症が残るかも知れないと言われて手術を受け、幸運にも手術は成功しました。
神様が私にもう一度生きるチャンスと生きる意味をあたえてくれたことや、それからの3年半の間に、たくさんの人との出会いがあり、励まされ、励まし合い、そんな折りにふとしたきっかけで出会えた、西原さん、西崎さん、吉田さん・・・・・不思議な繋がりがあり、私は今憧れだったイギリスに来ている・・・様々なこれらの思いが一度にこみあげてきたのでした。

 「サンハウス」という意味にこめられた、暖かい陽だまりの中庭に、今現実に自らの足でしっかりと立っている。そしてニセアカシアの巨木に抱かれ、花々の癒しの香りに包まれ、私はこの上なく幸福感を味わい感じ、いつまでも涙が止まらずただただ、佇んでいたのでした。
 参加者の皆様、あられもない姿をお見せしたこと、お許し下さいませ。

 そんな興奮しきった私だったので、後に皆さんが入手していた「BBGL」のパンフレットをもらい損ねていましたよ。残念。無念。(ガッカリ・・・)

「おまけ・・・懺悔の告白」

 パート@ 「鍵事件」

 同行者の皆様、そして大西さん、スーツケースの「鍵」では大変おさわがせ、並びにご迷惑をおかけしました。
とくに、モグラさん、貴方は私のスーツケースの恩人!
汗水流して、ケースを壊してくださいました。
おかげさまで、パリで新しいケースを購入できました。パリ製ですよ、ほんもののパリ!
 実は、あの鍵は自滅ではないのです。 あわてんぼうの私がケースに差し込んだまま、つまずいてしまったのです。決して故意ではなく、不可抗力なのですが、つまずいた弾みで歪んだのです。それを無理に戻そうとしたら・・・・・。
「ごめんなさ〜い!」
皆様、くれぐれも旅行時はスペアーキーをお忘れなく!!(経験者語る)
 

 パートA「花も団子も」

 モティスフォント・アビー(NT)の名物。
古川ガイドさんの一押し、「バラの花びらで作った美味しいアイスクリーム」

 このことを到着前のバスの中で聞いていたものだから、園内を見学中も、私の頭の中からアイスクリームのことが一時も離れず、「バラのアイスクリーム、アイスクリーム・・・」と、呪文のように唱えながら、美しいガーデンにも見とれていた、大変欲張りな私。

 念願の噂のアイスクリームを頂いた時はもう、幸福の絶頂!
 アイスクリームは噂どおり、バラ色でバラの香りでバラのお味の、それはそれは、忘れがたきお味でしたよね。ね、モグラさん!
 

 パートB「反省とお礼」

帰国時「中国大陸上空の朝焼け」です。月が写っているのですが、見えますでしょうか?
 同行の皆様、初日から終日までかなりのハイテンションとおまけにトラベルメーカーの私で大変ご迷惑をおかけしましたこと、このレポートで謝らせていただきます。

 私が静かになったとき「大丈夫?」と声をかけてくれたり、皆様には本当に良くして頂きました。この旅の経験で私に新たな勇気と自信がつきました。
 古川さん、大西さん、16名の参加者の皆様、楽しい旅を共にして頂きまして、本当にありがとうございました。

 イエローブック岡山の「こぼれ種」が花開き、今度は「ワクワク種」になって、この旅行のお土産話に叉、大きな花が咲くことでしょう。

 今後とも、こんな私ですが宜しくお願い致します。
 

 最後に、「絶対にカムバックするぞぉー!イギリス、待っててねー!! !」

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