憧れのイングリッシュガーデンとモネの庭をたずねて  Vol.2
    石ころだらけ、乾燥しきった土地に
The Beth Chatto Gardens(ベス・チャトーさんの庭)



 「ベス・チャトー・ガーデンズ」は、イギリス東部 エセックス州コーチェスター市にあります。
エセックス州は、イギリスで一番乾燥した地。あえてこの農耕不適、ガーデニングの難所で庭づくりに取り組んだ「チャトー夫妻」の庭をご紹介しましょう。

  「ガーデン・マップ」

 アンドリュー&ベス・チャトー夫妻が、1960年この地に移り住むまで、6.15haの敷地は農場に見捨てられた荒野でした。

 石ころだらけの乾燥しきった不毛の土地、ぬかるんだ窪地を改良してきたのは、ガーデンエコロジーを研究するアンドリュー氏とベス夫人。

 植物の仕組みを熟知し、自然を味方につけた庭。そのバラエティに富んだ植生を一緒に見ていきましょう。

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  「グラヴェル・ガーデン」

 駐車場から「入口」を右手に、グラヴェル(砂利)を川のように引いた庭が目に入ります。

 年間降雨量は岡山の1/3、500mmしか降りません。しかも最低気温マイナス6度、最高気温は30度に達します。

 そんな環境にも、無潅水、無肥料、そして最小限の有機農薬と雑草抜きふぁけ。自然に優しく、植物の美しさを最大限に引き出す庭づくりこそ、ベスさんの真骨頂と言えましょう。 
  「グラヴェル・ガーデン」

 ベス・チャトーさんが「グラヴェル・ガーデン」にそそぐ“思い”は…

(1)自然環境に合う植物を選ぶ
(2)グループで植え付け、点にはしない
(3)地面を葉っぱで覆う
(4)大柄のグラス類で目を休める葉を
(5)個々の花色がお互いを引き立てるよう……

 調和とバランスが彼女のモットーです。
  「ウォーター・ガーデン」

 キオスクで入場料を払い、緩やかな坂道を下ると、一転した「湿地帯」に・・・ここは、窪地をせき止めて作った「ウォーター・ガーデン」。

 天然水が湧き出、ウォーター・ガーデンから溢れ出す水路を「キャナル・ベッド」として活用しています。

 大胆な緑の葉の傍らには、アスチルベ、プリムラ、トロリウスなど、繊細な植栽が展開します。 
  「リザーボイア・ガーデン」

 「貯水池沿いの庭」にも、この土地に適した植物が、巧みなカラーコンビネーションによって美しく、しかも個性的に。

 ベスさんはその昔、コルチェスター花の会の創設に尽力しました。そのころのフラワー・アレンジメントから、多くのヒントを得たそうです。
 
 人々は「ありきたりの品種よりも、原種植物に興味を持ち始めている。」・・この感性と、天性のセンスが植栽計画に生かされています。
  「ウッドランド・ガーデン」

 1990年、グラヴェル・ガーデンと、ほぼ時を同じくして「森の庭」が作られました。

 ここでは主に原種の日陰を好む植物が植えられており、まわりを常緑・落葉の灌木に守られています。
  「スクリー・ガーデン」

 
さあこれで広い園内を一周しました。売店とティハウスの近くに「小石の庭(スクリー・ガーデン)」があります。

 セダム(多肉植物)など、乾燥に強い品種を集めています。水やりが悩みの屋上庭園などにも活用できそうですね。

The Beth Chatto Gardens
Colchester, Essex, CO7 7DB, UK
Tel: 01206 822007,Fax:01206 825933
訪問日:2002.6.22(sat) 天気:曇り時々晴れ、気温:20℃
HP:http://www.bethchatto.co.uk/

 
出典資料:My GARDEN No.18 2001年春号

如何でしたか、「ベス・チャトー・ガーデンズ」・・・??
常時2000種を越える宿根草を販売するナーセリーも併設。
これが日本なら買って帰れるのに・・・残念(;´_`;)    (モグラ)



  訪問日程表 (1)サン・ハウス (2)ベス・チャトー・ガーデン (3)ハドスペン・ガーデン (4)シシングハースト
(5)ヒドコートマナー (6)ブレナムパレス (7)キフツゲートコート (8)アン・ハザウェイ (9)モネの庭 (10)コッツウォルズ
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