憧れのイングリッシュガーデンとモネの庭をたずねて  Vol.5
    気品あるお庭 
ヒドコート・マナー・ガーデン』
 (Hidocote Manor Garden)



 イギリス南西部に広がる丘陵地帯“コッツウォルズ地方”。その村の一つ“チッピング・カムデン”の近くにヒドコート・マナー・ガーデンがあります。

 アメリカ人“ローレンス・ジョンストン”が造ったこの庭のスタイルは、イギリスの庭づくりに大きな影響を与えました。

↓ 「GardenMap」(クリックすると大きくなります)


 父親を亡くしたローレンス・ジョンストンは、1907年、母親と共にこの地に移り住みました。彼が36歳の時でした。

 庭は、“アウトドアルーム方式”と言われ、生け垣で囲んだ「25の部屋」で構成されており、30年もの歳月を掛けて作られた庭園です。 
 ジョンストンは、庭園以外にも植物収集に力を入れました。ヒドコート・ラベンダーなど色々な植物に「ヒドコート」と名の入った園芸種がありますよね。

 また庭園内のベンチや門扉などの構造物は、一つの例外を除いてすべて同じ色に塗られています。

 左の茅葺き屋根の家は、ガーデナーのお宅ですが、この家のドアーも、入口のゲートも“ヒドコートブルー”に塗られています。
 ヒドコートといえば、トピアリーと生け垣。

 木や生け垣の整形はイタリア式庭園に欠かせない要素で、ジョンストンはここからアイディアを得たと言われています。

 しかし、ヒドコートのスタイルは可愛く、親しみやすく造られています。私たちの庭にも取り入れられそうなヒントが得られそうですね。
 可愛い小鳥のトピアリー、4羽が向かい合い変化を付ける“ホワイトガーデン”。

 赤い系統の花でまとめた“レッドボーダー”。黄色と青の対比が美しい“ミセス・ウィンスロップ・ガーデン”(お母さんの名前を付けました)。

 そして円形のプールを囲む“プールガーデン”など、部屋毎に変わるカラーリングは見事です。
 生垣(ヘッジ)で囲まれた25もの庭、それらの中で特に目を奪われるのは、200mにも及ぶ芝生のロングウォークでしょう。

 生垣として刈り込まれたホーンビーム(シデ)に囲まれ、短く刈り込んだ芝生が目にも鮮やかです。

 “あずまや”から見た“ロングウォーク”。如何ですか?まるで絵のようでしょう。
バラと共に百合や秋明菊、エリンジュームが彩りを添える“ローズ・ボーダー”。

 ローズボーダーの突き当たりに置かれている“白いベンチ”は、後ろの白い藤と白バラノオールドローズに対する配慮です。
 リンゴやプラムが植えられた“キッチンガーデン”。

 芝生のヘッジをご覧下さい。“目の形”が面白いでしょう。
 見事なまでに手入れされた生け垣とトピアリー。・・・その秘密をここに見つけました。

 入口近くの倉庫には、ピカピカに磨き上げられた園芸バサミが、何種類も。\(^_^)/

 これに気づいたモグラが、ガーデナーさんにお願いすると快く写真を撮らせてくれました。
 使い込んだ取っ手と刃先のコントラストが見事でしょう。

Hidcote Manor Garden
Hidcote Bartrim,nr Chipping Campden,
Gloucestershire,GL55 6LR , UK
Tel: 01684 855370  Fax: 01386 438817
訪問日:2002.6.18(tue) 天気:曇り、気温:19℃
HP:http://www.nationaltrust.org.uk/hidcote/

 
参考:BISES No.22 1995年冬号

シシングハーストの“ヴィタ・サックヴィル・ウエスト”も影響を受けたという“ヒドコート”。
寡黙で内気な男、ジョンストン。・・・まるでモグラのように???    (モグラ)


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