憧れのイングリッシュガーデンとモネの庭をたずねて Vol.7
母娘3代が情熱をかけた庭 『キフツゲート・コート・ガーデン』(Kiftsgate Court Gardens)
キフツゲートといえば“Kiftsgate Rose”を思い浮かべるバラ愛好家が多いことでしょう。
3代前のオーナー“ヘザー・ミュアー夫人”が購入したこのバラが新品種として名付けられたモノで、樹勢の強い白い房状の花を付けるつるバラ。でも、なかなか咲いているときに出くわせないバラなのです。(^_^;)
さあ、今年は咲いているでしょうか?
キフツゲート・コート・ガーデンはチッピング・カムデンから車で北へ20分ぐらい。ちょうどヒドコート・マナー・ガーデンと筋向いにあります。ミュアー夫人は、すぐ近くにあることからヒドコートのローレンス・ジョンストンと親しくなり、彼の影響を受けたり、アイデアを交換していたようです。
現在のオーナー“アン・チェンバースさん”の祖父母J.B.ムーア夫妻がこの館を購入したのは1918年。内部の変更を相当行って、この館に移り住みました。 ヘザー・ムーア夫人が庭を造りはじめ、娘さんのダイアイー・ビニー夫人に、そして、その娘さんのアン・チェンバースさんが庭づくりを引き継いでいます。 母娘3代にわたる庭というのが素晴らしいですね。 |
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入口から館の横を通り抜け、列柱のあるテラス前に整形庭園“フォー・スクエアズ”があります。 ツゲで4つの区画に仕切られた庭には、バラやシャクヤクをはじめ、珍しい植物が植えられています。 |
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ローズボーダーの突き当たりに置かれたモダンな彫像は、グローシスターシャー生まれの“サイモン・ヴェリティ(Simon
Verty)”作。椅子をかねており座れます。 その前のアーチは、新芽が美しい銀葉の“ソーバス・アリア・ルーテッセンス”。 ローズボーダーの色合いとマッチします。 彫刻家“サイモン・ヴェリティ”は、バーンズリーハウスにある“ハンティング・レディ”を作ったことでも知られています。 |
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ヒドコート・マナーに約10年遅れ、その影響下に造られたキフツゲートですが、彼女の個性が溢れた庭です。 女性らしい色づかいの“イエロー・ボーダー”は、ローズボーダーの左隣にあります。 1951年、RHSジャーナルの中でこの“イエローボーダー”について書いたグレアム・トーマスにちなんで命名されました。 |
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5年前訪れた時にはテニスコートだった所が“ウォーター・ガーデン”になっていました。ボールのはね返りが不安定になったので、どうやら庭にしたようです。 |
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館の南西は切り立った崖です。遠くエブシャム渓谷を望み、谷から吹き付ける強い風から植物を守るため、彼女は多くの木々を植えました。 急な坂道を降りると、そこが“ローワーガーデン”。半月型のプールの向こうにも素晴らしい眺望が広がります。 この写真では見にくいのですが、プールの向こう側にハハ(haha)があり、羊が草を食んでいます。 |
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スコットランド・モミの林を抜け、自然石の小径を歩いていくと、子供を抱いた母親の彫像がありました。これも“サイモン・ベリティ”作。 坂を降りる途中にも、珍しい植物があり、下まで降りきると、プール右にサマーハウスがありました。 花芯が紫で一重の白い牡丹など、巨木の牡丹がありました。これらは1935年、メジャー・ジョンソンが日本から取り寄せたものです。 |
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キフツゲート・ローズの正式名称は“ロサ・フィリップス・キフツゲート(R.filipes Kiftsbete)”。 匍匐性で、 清楚な白一重の小輪咲き。花が株一面を覆う様は本当に美しく、ほのかに香り、秋の実も美しい。・・・と書いていました。 右の写真、左上がキフツゲート・ローズですが、7月初旬から3週間程度が見頃だそうです。「The Largest Rose in England」、またしても見逃してしまいました。 |
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がぁ〜・・・駐車場奥、大木の頂上にそれらしき花を見つけました。根っこは5Cm以上もありそうな大株。果たしてこれが“キフツゲート・ローズ”かどうかは、謎ということにしておきましょう。 | |