イギリス・ガーデン巡り Vol.3
        『モティスフォント・アビー』
 Mottisfont Abbey

 ロンドンの南西に広がるハンプシャー州、テスト川西岸に「モティスフォント・アビー」があります。初夏には350種以上の優雅なオールドローズが咲き乱れるバラ園をもつことで有名です。

 1972年、世界的なバラの大家 グラハム・トーマスのコレクションがここに収められ、彼が設計をして現在の姿に。1957年以来ナショナルトラストが管理しています。
 

モティスフォントとは“泉の集まり”を意味する古い英語。

 豊かな水脈を誇る川には“マス”が泳ぎ、“白鳥の親子”がゆっくりと羽を休めています。
 
 この豊かな水が交通の便を確保し、肥沃な土地を生み出したのです。
 昔からここは村人が集まる場所でした。 
 13世紀初頭、当時の宗教的有力者「ウィリアム・ブライワー」が、このモティスフォントに“修道院(アビー)”を創建しました。

 アビーの本館を中心に、芝や樹木で構成される広大な緑の庭園が広がります。本館の左手には「ライム・ウォーク」があります。
 修道院だった建物にふさわしく、装飾が少ないシンプルな建物です。本館前に“ノット・ガーデン”があり、ラベンダーが咲き始めていました。

 モティスフォント・アビーは、現在、NT:英国ザ・ナショナル・トラストが所有しています。NTは全英で250以上の庭園を管理し、一般公開しているのです。
 その規模は「人の手によって植栽されている樹木と草花の、世界一のコレクター」とさえ言われるほどです。 
 モティスフォントで最も有名なのが、敷地の北西に位置するオールド・ローズのバラ園。
 1972年から数年掛けてキッチンガーデンの中に作られました。

←このゲートをくぐると、グラハム・トーマスが設計したバラ園が広がります。
 一歩中にはいると、オールドローズの優しい香りが風に漂い、美しいバラの数々に圧倒されます。

 グラハム・トーマスが世界中から集めたオールドローズが350種類以上もそろい、春から秋にかけて可憐な風情を競い合っています。

 レンガ塀で囲まれたバラ園は、モティスフォントの中ではほんの一隅にすぎません。(といっても、1000坪以上の広さがあるのですが。……)
 「ランカスター家の赤バラ」、「ヨーク家の白バラ」、ピンクの縞が入ったロサムンディ、ジェイムズ二世のバラ、モスローズなど様々な種類のバラが咲き誇っていました。

←池の噴水をバックに、可愛らしく咲くカップローズ
     「マクランサ・ロウブリッタ」  
 英国ザ・ナショナルトラストのガーデンコンサルタントでもあるグラハム・トーマス(Graham Stuart Thonas)。

 彼が長い年月かけて揃えた1900年以前のオールドローズが主で、ここのコレクションに比較すべき庭は、全英中にも見あたりません。

 ご存じ「グラハム・トーマス」彼の名前がバラに → 

 小道の両脇の花壇も彼の設計です。もうこれは植栽設計のお手本といっても過言ではありません。おそらく、最も完全に計画されたバラ園ではないでしょうか?




 アーチに絡まるクリーミーホワイトの“アドライド・オルレアン”。レンガ塀と黄色のバラを配した“白いベンチ”
 モグラが一番好きな写真です。(朝一番、誰もいない時を狙って撮影した、会心の作品。)↓


Welcom you to Mottisfont Abbey & Garden

Mottisfont Abbey
ロンドンから鉄道でラムズィ(Romsey) まで行き(約1.5時間)、
そこの駅からタクシーで15分ほど。
Mottisfont Romesy Hampshire SO51 0LP
TEL(01794)340757,FAX(01794)341492

訪問日:2001.7.1(sat) バラが咲きそろい、最も華やぐ季節でした。

@ヴェール・エンド  Aバーンズレイ・ハウス Bモティスフォント・アビー Cヘルミンガムホール
 Dスードレイ・カースル・ガーデン  Eアルビー・クラフツ・ガーデン Fブラデナム・ホール
Gエルシングホール  Hオークツリー・ハウス  Iサウスエーカー・オールド・レクトリー
Jピーター・ビールズ・ローズ  Kソーンクラフト・クレマチス・ナースリー Lウィズリー・ガーデン
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