イギリス名園とプライベート・ガーデン巡り(9日間の旅) Vol.2
『サンビット(Thumbit)』 (Mrs.Ann James さんの庭)
著者;アン・ジェームズさんによる 「THE COTTAGE GARDEN」具体的な手法やノウハウ満載。写真もカラフルで綺麗です。 アン・ジェイムスさんにサインまでして貰いました。 |
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サンドリンガム城を出発し、バスは1時間15分ほど南西に下ります。 Thedford の南にある、Walsham-le-Willows村の”サンビット(Thumbit)”に15時10分に到着。 プラチナブロンズのにこやかな、アン・ジェイムスさん(Mrs.Ann James)が、出迎えて下さいました。 (今回も、添乗員Oさんのツアー日誌をもとに編集しています。) アン・ジェイムスさんが植物を愛するようになったのは3歳の頃から。花好きな叔母さんに「あれを見て!お花が見てくださいって言ってるよ。」と、情熱的な熱意を示していました。 |
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彼女は、バーミンガムレパートリー劇場で演劇の仕事に携わっていました。優しそうなご主人、ロバートさんとの間には7人の子宝に恵まれたそうです。 その子供たちが家を出た後、インテリアデザインの延長として庭づくりをする決心をしたのです。 そして30年前、この“わらぶき屋根の家”と土地を購入し、ご夫妻はサンドリンガムの近くからここに引っ越しました。引っ越した時には、トイレもない家だったそうです。 この建物は「ウィリアム・ポープによって、1581年に新築された」と言われています。 そして18世紀には「公共の家(public house)」として、畑で働く労働者たちの宿舎として使われていました。 お庭には、ご主人のカットによる数々のトピアリーが作られています。 |
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この地には、昔、小川が流れており、そこを埋め立てて家を造りました。小川には水車が置かれ粉が挽かれます。そしてパン焼きや調理に使う「オーブン」もあったそうです。 ←左の黒い小屋はオーブンが置かれていた小屋です。 小屋の右側にそびえる柳の木は15年程前に植えられたのですが、小川の水脈が残っているのか?それとも伏流水が流れているためか?こんなに大きく育ちました。 爽やかなそよ風に柳の葉が揺れ、静寂の中に小鳥たちのさえずりが聞こえます。 |
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この敷地の土壌は粘土質だったようです。庭づくりには決して恵まれた土壌ではありませんが、何もないところからこれまでの20年にわたる庭づくりが始まりました。 デザインとプレゼンテーションを専門にしている奥様のアンが設計し、ご主人のロバートさんも力仕事で協力しました。 イチイの垣根を波のようにカットしているでしょう。ロバートさんは、「皆さん、まっすぐ切りそろえるように、アンに言ってくださいよ。こんなに波を打たせるのは大変なんですから・・・」とぼやく声も。(「うん、うん、その気持ち、とてもよく分かります。」とお互いに慰め合うモグラなのでした。) |
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家の後ろには、約400エーカーもの畑地が拡がります。ご覧ください、ワイルドガーデンの向こうは、見渡す限り農園で、牧草や小麦などが植えられていました。 向こうに防風林も見えますが、何しろ南西の風をまともに受けるのです。 この強風から庭を守るため“イチイの壁”を作ったとか?庭の周りを、イチイで取り囲む、典型的なコテッジ・ガーデンです。 2003年の“25の美しい庭"や“The Lady"、“アマチュア・ガーデニング”などに紹介されたのを始め、数々の賞を貰った見事なコテッジ・ガーデンを作り上げました。 |
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バラ作りで知られる“Oさん”のレポートによると・・・ 「薔薇の庭と小さな池、大きな柳があります。 こじんまりとした庭で、典型的なコテージガーデンです。ご主人と2人で手作りの庭、アットホームです。」 うん、その通り、ゆったりと落ち着けるお庭でした。 |
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美味しいホームメードのお菓子とお茶を頂きました。 ご主人がトレイを持ち、奥さまがサービスして下さり、感激のひとときでした。 ←ペイルピンクのグランドカバーのバラが棚を覆っていました。まだ蕾だったのですが、咲いたら、それは、それは良い香りがするそうです。 4時30分においとまし、ケンブリッジのホテルには5時30分頃到着。 今晩はみんな揃ってホテルのレストランで夕食です。 |
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