第1話 ルイス・C.ティファニー庭園美術館を訪ねて出雲路の旅(その1)
☆ 「やっと休みがとれるよ〜ン!。」
広島にいる娘(独身ОL)からオーナーに緊急連絡が入ったのはGWがおわった5月の上旬だった。こんな局面になるときまって専属(実は筆者、オーナー専属の庭師兼運転手兼旅ガイド兼スポンサー)に出番がまわってくるのだ。
☆ 「岡山から広島経由で出雲に行けるの?」
方向音痴のオーナーにはこの小旅行の道順が不可解のようだ。推理小説が好きで十津川警部をきどる専属にはこれぐらいの行程や時間割の組立ては朝めしまえよ。
☆ 「朝めしまえに岡山を出発、昼めしは広島じゃけん。」
娘の案内で西空港の滑走路の脇を走って、眼前に広島ベイが一望できる高か〜い天井のレストラン(※1)へ。そこはもうほとんどイタリアの国。魚のカルパッチョが人気で品切れなれど、同じメニューの肉のほうで満腹。ここの雰囲気にいたく感動していたオーナーである。
☆ オーナーの海外旅行!?
オーナーは人付き合いがいい。同窓会の誘いにはかならず顔をだすのだが、一つ困ることがある。海外旅行の話題になった時だ。そんな時逃げてはいけない。スペインでみたフラメンコは最高だったとか、オランダの運河の畔に咲いていたチューリップの花はみごとよ。と、むしろその話にのってゆくらしい。しかしオーナーの話をよく聞いているとそれは志摩であったり長崎であったりするのだ。
今日もまた訪問国が1つ増えてオーナーは満足顔だ。
☆ 逃亡者の隠れ宿(美又温泉)
高速を走って石見の国浜田の手前に美又温泉(※2)がある。岡山ではあまり馴染がないが広島あたりではわりと知られた温泉だ。広島に住む専属の仕事仲間のお勧めである。いかにもひなびた風情の旅宿(※3)は、都会の喧騒から脱出してきた3人の逃亡者を今夜は優しくかくまってくれそうだ。
☆ お肌すべすべ美人の湯
肉親の血はお互いが接近し過ぎると反発するが、離れ過ぎると引力が働く。露天風呂に仲良く出かけるカウベル母娘に目をやりながら、専属はふとそう思うのだ。
「そこの温泉はこれという取り柄はないが、滑らかな肌触りの豊富なお湯だけは特別じゃけんね。」 お勧めの言葉を思い出していると、浴衣の母娘が帰ってきた。
「美人の湯ってほんとね!お肌がすべすべになる。それに星もきれいだったし!」専属は思わず納得したのだ。
☆ 夢は「庭園」をかけめぐる。
旅で病んだ、かの俳人が生きた時代は今からそう遠い昔のことではない。
ところが、猛烈なスピードで文化や価値観が多様に進化している今から思うとそれはまるで次元の違う世界である。しかし「風流」への憧憬、未知の環境で暮してみたい好奇心に駆られて人は旅に出る。そんな「旅人」の想いは当時と今も大同小異に違いない。
旅の第一夜、この旅宿(※3)は正解だった。夜も更けてきた辺りに静寂以外なにもない。ひさしぶり水入らずで枕をならべるカウベル母娘のみる夢は....?。
つづく
(※)印は関連するHPアドレスや情報を記します。
(1) マリーナマリオエスプレッソ http://www.info-hiroshima.co.jp/3_05.html
(2) 美又温泉 http://www.csn.co.jp/ohyu335.htm
(3) 金城観光ホテル 〃 〃
2001/5/12 R.C.T庭園にて 右がオーナー
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独り言コーナーに、新シリーズがスタートしました。
こんどは何処を紹介してくれるのか楽しみです。
カウベルさん、期待していますよ。・・・・(モグラ)