憧れのイングリッシュガーデンとモネの庭をたずねて  Vol.3
    半円形の塀に、200mのボーダー
Hadspen Gardens(ハドスペン・ガーデン)



 

 「ノリ/サンドラ・ポープ夫妻」は、カナダの バーンクーバー島で造園設計とナーセリーを経営していました。

 英国庭園の素晴らしさに魅せられ、渡英したのは1987年。

 幸運にも、18世紀の館「ハドスペン・ガーデン」を借りることに成功したのです。
 それから5年間。さびれていた庭を造り直し、いまや年間15,000人を越えるビジターが訪れる、魅力的な「ハドスペン・ガーデン」を作り上げました。

 日本でも、色々な雑誌やテレビに出演された「ノリ・ポープさん」が、庭づくりに対する熱き思いを話してくれました。

↓ 「GardenMap」(クリックすると大きくなります)

 ここの庭園は、ヴィクトリア時代の趣をとどめ、1880年頃からマーガレット・ホブハウス(Margaret Hobhouse )がここで庭づくりを始めたと言われています。
 その後、何年も放置されていたことを憂いた、園芸界で高名な「ペネロープ・ホブハウス(Penelope Hobhouse )夫人」。1960年代に、ペネロープ夫人が見事に修復し、彼女がここで生活した12年間、再び繁栄していました。

 彼女なきあと、再び寂れていた庭に訪れたのがポープ夫妻。・・これも縁(えにし)ですかね?
 夫妻は、ここで2つの庭を造っています。

↑ 入口を入ってすぐ目にはいるのが、色使いの繊細なボーダー。一瞬、ハッと息をのみ、続いて「おぉー!」っという声が出ます。

← ボーダーはビクトリア朝のテラスにあります。その下は大きな石とレンガで囲まれた池。 夏の日差しを受けて睡蓮が咲いていました。
 もう一つが、ポープ夫妻お勧めの「D型」をした半円形の庭。
 上(↑)のテラスを右側に歩き、小さなゲートをくぐると半円形の庭が見えます。

 このレンガ塀に囲まれた場所は、昔、キッチンガーデンでした。

 その名残か、今も、中央部分はキッチンガーデンに活用されています。
 ポープ夫妻は、このレンガ塀に沿って、約200mのカーブしたボーダーを作りました。

 ボーダーを担当したのはサンドラ夫人。彼女は、下に淡い色を、緩やかな坂道をあがり最上部には「濃い赤色」を配置しました。
 半円形の坂道には下から順に、黄・緑・青・紅・緋・赤とスペクトルの帯に仕上げたボーダー。見事な色彩コントロールです。

 5m以上もある、古びて高いレンガ塀。
その中が、こんな秘密の花園になっているなんて・・・誰が想像できるでしょうか。
 黄色のボーダーで、おしゃれな壺を見つけました。

 黄色のボーダーは、半円形の直径にあたるゴールデンロードで、明るく輝いていました。
 ゴールデンロードを下ると、そこはギボウシの小径。

 光のやさしい木陰で、微妙な色合いを見せる通りが続きます。 
 そして、「ウォールド・ガーデン」の中心を直角に伸ばしたところに、パープルの小径が。

 キャットミントとシュラブローズの香りがミックスされ、辺り一面に優しい香りが立ちこめます。
 パープルの小径からレンガ塀をでると、広大な森へ。
 その一角に「ワイルド・フラワー・ガーデン」があります。

 「あるがままに。・・」が感じられる、ワイルド・フラワー・ガーデンの緩やかな小径。この曲線通路は、植物にやさしい“ナイロンカッター”で刈り取っていました。

Mr.Nori and Mrs.Sandra Pope
The Hadspen Garden & Nursery
Castle Cary, Somerset, BA7 7NG,UK
Tel/Fax: 01749-813707
訪問日:2002.6.21(fri) 天気:晴れ時々曇り、気温:21℃
HP:http://www.hadspengarden.freeserve.co.uk/

 
NHK BSで見た通り、優しい笑顔の「ノリ・ポープさん」・・・質問にも丁寧に答えてくれました。
ナーセリーは、ボーダーの色別にコーナー化され、選びやすく展示しています。
ティハウスでクリーム・ティを注文、庭のベンチでいただく。・・味も雰囲気も最高でした。\(^_^)/  (モグラ)



  訪問日程表 (1)サン・ハウス (2)ベス・チャトー・ガーデン (3)ハドスペン・ガーデン (4)シシングハースト
(5)ヒドコートマナー (6)ブレナムパレス (7)キフツゲートコート (8)アン・ハザウェイ (9)モネの庭 (10)コッツウォルズ
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