憧れのイングリッシュガーデンとモネの庭をたずねて Vol.4
あのホワイトガーデンで有名な『Sissinghurst Castle Garden(シシングハースト・カースル・ガーデン)』
シシングハーストは、クランブルックの北東2.5マイル、メイドストンの南13マイルのシシングハースト村の近くの、ケントの森林地帯にあります。
この辺りは、中世の荘園領主の邸宅として使用されていましたが、今はその堀だけが残されています。この地に住んでいた「ベイカー家」によって入口部分にある建物が建築されたのは1485年頃。その後、1560〜1570年の間に「ジョン・ベイカー卿」の息子によって、中央の塔と中庭が作られました。その一部は、南側にコテッジとして残されています。7年戦争の間、フランス軍の捕虜の宿舎に利用されていましたが、フランス軍によって塔の一部が壊され、1800年にはその残りも破壊され、廃墟になっていました。
1930年、有名な作家・詩人の「ヴィタ・サクヴィル・ウエスト(Vita Sackville-West)」がこの地を購入、彼女の夫「ハロルド・ニコルソン卿」とともに、残された建物を修復し、イギリスで最も美しいガーデンの一つに作り上げました。
ここまでは、ナショナルトラスト(NT)/文化保護財団 パンフレットより抜粋
入口を入ったらアーチ型のゲートをくぐり抜け、2つの尖塔に登りましょう。塔の中、78段の階段をのぼると、2階に「ヴィタ・サクヴィル・ウエスト」の居間を見ることが出来ます。そして、屋上に上がって、シシングハーストの全容を見ることにしましょう。では、下のガーデン・マップを見ながら、「シシングハースト・カースル・ガーデン」の魅力を、ご一緒にどうぞ・・・
塔から見下ろす「ホワイトガーデン」。 左側の、レンガ造りの古い建物は「僧房」、右側の小さな小屋は「ボート小屋」です。 遙か彼方には、ケント州の田園地帯が広がります。 |
|
1962年「ヴィタ・サクヴィル・ウエスト」が亡くなり、その5年後にシシングハーストは「ナショナル・トラスト(NT)」に寄贈されました。 ニコルソン一家は、今もアーチ型の入口右側の建物(ちょうど、子供の後ろの建物)に住んでいます。 |
|
“ヴィタ・サクヴィル・ウエスト”の庭づくりのポリシーは、(1)ロマンチックであること、(2)常に花がふんだんに咲きほころんでいること、(3)かといって無秩序でなく、(4)庭のデザインは幾何学的に線引きし、(5)植栽は自然風に・・・ 日本でも良く紹介されるクレマチスは、ローズガーデンの正面にあります。たいていは、あのベンチに誰かが座っていますが、閉園時間(18:30)間際になって、こんな写真が撮れました。 |
|
ライムの並木道。 ライムの枝の仕立て方は“ブリーチング”といい、隣同士のライムの枝が、握手するように繋がっています。 |
|
ヘーゼルナッツの木の庭が、銅像を取り囲むように広がります。 手前には、シダが大きく育っていました。 |
|
カモミール・シートの“ハーブガーデン” 夫ハロルド・ニコルソン卿とともに、30年以上かけて情熱を注ぎ、美しい花園を気づいたヴィタ・サクビル・ウエスト。彼女は晩年、人前から遠ざかり、尖塔の書斎や庭で過ごすことが多くなりました。 ハロルドはコテッジガーデンの書斎に、二人はともに同性愛に陥りながらも、固い友情で結ばれていたそうです。 |
|
幾何学的に作られた緻密な庭園“シシングハースト”その中のオープンスペースが果樹園でしょう。 果樹は気ままに植えられ、下草も伸びやかに育ち、そこはワイルド・フラワー・ガーデンになっています。 これで左回りに庭園をほぼ一周しました。さあ、ボート小屋のゲートをくぐり、ハッと息をのむホワイトガーデンへと。・・・ |
|
ホワイトガーデンが最も華やかな時期に訪れました。 アーチ状に仕立てられたつるバラ(ランブラー・ローズ) 手前に、アイスバーグと白いカラーが咲いています。 |
|