英国名園&プライベート・ガーデン巡り2008(9日間の旅)  Vol.8

    
アビー ハウス ガーデン』
 (Abbey House Gardens) 


↓ 「Map」(クリックすると大きくなります)


 「ブルックコテッジ」からA429でサイレンシスター(Cirencester)へ、そこからA433に乗り換えて、テトベリーでしばしの休憩を取りました。(テトベリーは面白い街でした。そのうち気が向いたらコッツウォールド特集でも書きませう。)
 ここから「アビーハウス」があるマルメスベリー(Malmesbury)までは、約8マイルの距離です。
 町の入り口でバスを降り、少し歩くと676年に建てられたという「聖アルデヘイム修道院」が見えてきます。その後、尖塔が作られましたが、高さ130メートルもあった尖塔は1500年に落下。1539年、ヘンリー8世によってアビーは壊わされてしまいます。
 ←そのような歴史の中で、現在の本堂が再建されたのは戦後(1928年)のことです。(ホント、世界遺産に登録されてもよさそうな歴史的建造物です。)
 1994年、マルメスベリー保存トラストが管理していた廃墟の修道院に訪れた「イアンさん、バーバラ・ポラードさんご夫妻(Ian & Barbara Pollard)」は、このアビーハウスを一目見るなりお気に入り。(My favorite gardenと言ったかどうか?定かでありませんが。)・・・3人の子供たちや夫妻のための住まいにすることに決めました。
 一家が住めるようにリフォームした後、1996年の秋からガーデニングに魅了されていきます。世界中からこの歴史的な町に来て貰えるよう、素晴らしい庭を作ることを決めたのです。(そうそう、その熱意に導かれてやってきました、イエロー集団。)
 アビーの横を通り抜けゲートを入ると「アビーハウスガーデン」が見えてきました。
 ガーデンに入ってアビーの方を振り返ると、サクソン・アーチを背景に、イチイの生け垣と、見事なローズガーデンがあります。ここにも沢山のイチイがありましたが、イチイは古くから宗教の地に植えられる木で「長く、永遠の生命」を意味します。ここにあるイチイの木は、樹齢2000年を越えるものもあるそうです。
 5エーカーの庭は、ご主人のイアンさんと、たった1人のガーデナーで作り上げた庭です。
 「アビーハウスガーデン」もう一つの見どころ?は、「裸のガーデナー」・・・そういえば、頂いたパンフレットもセクシーなイラストがありましたっけ!?ガーデナーさんも気持ちよさそうです。(この時間はズボンを穿いてますが、お客さんがいなくなると素っ裸になるとか・・)

 「ナイス・バディ」のご夫妻です。イアンさんにはお目にかかれませんでしたが、バーバラさんは「超ミニ姿」で、喫茶コーナーにおられたとか・・・モグラは残念ながらお会いできず。(~_~メ)
 オーナー自らが「最高傑作の庭」とおっしゃる通り、2000年のミレニアムを記念して植え始めた薔薇は既に2200品種を越え、100種類以上のハーブやフルーツの木で形作られたアーチ、網目状にカットされたノット・ガーデン。ハーブでできた巨大な生け垣、キングサリのトンネルなど見どころ満載です。
 庭のあちこちにオブジェが置かれ、何世紀にも及ぶマルメスベリーの歴史の中で、斬新なデザインが不思議とマッチする庭です。園内の高台、古い果樹園の横にベリー・メイソンによる彫刻「タレス(Thales)」があります。何層にも重なったオブジェの先から水がしたたり、得も言えぬ爽やかさが伝わってきます。

ノット・ガーデン

2000年のミレニアムを記念したガーデン
 入り口で頂いた案内書の通り「ハーブ園(Mapの右上、サークル状の庭)」にやってきました。円形に囲まれた並木の外側には180種類もの果樹が、その内側にはバラとクレマチスが植えられています。

 奥に見える鉄製の支柱は、もともと緑青色だったようですが、今は色あせて見えます。そこで、オーナーのイアン・ポラードさんはこの支柱に、英国で一番親しまれているオーク(ナラ)の木を、格子状に編んでいきました。
 結び目はなんと!4000個にも及び、この作業だけで2〜3ヶ月もかかったそうです。

 その後、友人の助けを借りて、土を盛り上げたり、植栽をしたり・・・・この準備のおかげでハーブ花壇は、わずか数日で出来たといい言います。
 ハーブ園の奥には、キングサリのトンネルがありました。(残念ながらキングサリの開花時期は既に終わり、葉っぱが大きくなって、房が垂れ下がっておりました。)
 イアン・ポラードさんは水辺と日本の風景がお好きなようです。パンフレットに「時間があるようであれば、是非、近くの川もご訪問下さい」という案内に誘われて、水辺へと降りていきました。

 ツツジやシャクナゲ、アジサイ、スイレンなど多くの樹木が拡がる道を通り抜け、川辺の飛び石を伝って、滝の音に誘われ進んできました。2000〜2001年に作られたこの滝には「魚の形をした岩」が置かれ、「鯉の滝登り」をイメージしています。
 オーナーの庭にかける情熱と努力が報われ、鯉が天へと駆け上がって「幸運のシンボル;龍」になった姿を、しかと見届けました。

鯉の滝登り

水辺にアスチルベとスイレン

ベリー・メイソン作「タレス」


Abbey House Gardens
The Abbey House, Malmesbury, Wiltshire
SN16 9AS, England
Tel: 01666 822212 Fax: 01666 822782

Public opening times:
Visitor Information参照
Admission prices:Gardens
Adults £6.50, Children £.2.50 Family £15.00

訪問日:2008/06/26(wed) 天気:晴れ
HP:http://www.abbeyhousegardens.co.uk/

2006年の「プライベートガーデン巡り」途中のことです。
私たちのツアー直前まで「BISESツアー」のガイドをしていたFurukawaさんから「面白い庭があったよ。」と耳打ち・・
その後、すっかり忘れていましたが、アビーハウスのパンフレットを渡されて、おや!?ビックリ。(^_-)
期待と不安を込めてやってきた「アビーハウスガーデン」は、想像以上の素晴らしい庭でした。
このページのどこかに、3年前のパンフレットが潜んでいます。捜してね!・・・(モグラ)


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