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「ブルックコテッジ」からA429でサイレンシスター(Cirencester)へ、そこからA433に乗り換えて、テトベリーでしばしの休憩を取りました。(テトベリーは面白い街でした。そのうち気が向いたらコッツウォールド特集でも書きませう。)
ここから「アビーハウス」があるマルメスベリー(Malmesbury)までは、約8マイルの距離です。
町の入り口でバスを降り、少し歩くと676年に建てられたという「聖アルデヘイム修道院」が見えてきます。その後、尖塔が作られましたが、高さ130メートルもあった尖塔は1500年に落下。1539年、ヘンリー8世によってアビーは壊わされてしまいます。
←そのような歴史の中で、現在の本堂が再建されたのは戦後(1928年)のことです。(ホント、世界遺産に登録されてもよさそうな歴史的建造物です。) |
1994年、マルメスベリー保存トラストが管理していた廃墟の修道院に訪れた「イアンさん、バーバラ・ポラードさんご夫妻(Ian
& Barbara Pollard)」は、このアビーハウスを一目見るなりお気に入り。(My favorite gardenと言ったかどうか?定かでありませんが。)・・・3人の子供たちや夫妻のための住まいにすることに決めました。
一家が住めるようにリフォームした後、1996年の秋からガーデニングに魅了されていきます。世界中からこの歴史的な町に来て貰えるよう、素晴らしい庭を作ることを決めたのです。(そうそう、その熱意に導かれてやってきました、イエロー集団。)
アビーの横を通り抜けゲートを入ると「アビーハウスガーデン」が見えてきました。
ガーデンに入ってアビーの方を振り返ると、サクソン・アーチを背景に、イチイの生け垣と、見事なローズガーデンがあります。ここにも沢山のイチイがありましたが、イチイは古くから宗教の地に植えられる木で「長く、永遠の生命」を意味します。ここにあるイチイの木は、樹齢2000年を越えるものもあるそうです。 |
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5エーカーの庭は、ご主人のイアンさんと、たった1人のガーデナーで作り上げた庭です。
「アビーハウスガーデン」もう一つの見どころ?は、「裸のガーデナー」・・・そういえば、頂いたパンフレットもセクシーなイラストがありましたっけ!?ガーデナーさんも気持ちよさそうです。(この時間はズボンを穿いてますが、お客さんがいなくなると素っ裸になるとか・・) |
「ナイス・バディ」のご夫妻です。イアンさんにはお目にかかれませんでしたが、バーバラさんは「超ミニ姿」で、喫茶コーナーにおられたとか・・・モグラは残念ながらお会いできず。(~_~メ) |
オーナー自らが「最高傑作の庭」とおっしゃる通り、2000年のミレニアムを記念して植え始めた薔薇は既に2200品種を越え、100種類以上のハーブやフルーツの木で形作られたアーチ、網目状にカットされたノット・ガーデン。ハーブでできた巨大な生け垣、キングサリのトンネルなど見どころ満載です。
庭のあちこちにオブジェが置かれ、何世紀にも及ぶマルメスベリーの歴史の中で、斬新なデザインが不思議とマッチする庭です。園内の高台、古い果樹園の横にベリー・メイソンによる彫刻「タレス(Thales)」があります。何層にも重なったオブジェの先から水がしたたり、得も言えぬ爽やかさが伝わってきます。 |
ノット・ガーデン |
2000年のミレニアムを記念したガーデン |
入り口で頂いた案内書の通り「ハーブ園(Mapの右上、サークル状の庭)」にやってきました。円形に囲まれた並木の外側には180種類もの果樹が、その内側にはバラとクレマチスが植えられています。
奥に見える鉄製の支柱は、もともと緑青色だったようですが、今は色あせて見えます。そこで、オーナーのイアン・ポラードさんはこの支柱に、英国で一番親しまれているオーク(ナラ)の木を、格子状に編んでいきました。
結び目はなんと!4000個にも及び、この作業だけで2〜3ヶ月もかかったそうです。
その後、友人の助けを借りて、土を盛り上げたり、植栽をしたり・・・・この準備のおかげでハーブ花壇は、わずか数日で出来たといい言います。
ハーブ園の奥には、キングサリのトンネルがありました。(残念ながらキングサリの開花時期は既に終わり、葉っぱが大きくなって、房が垂れ下がっておりました。) |
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イアン・ポラードさんは水辺と日本の風景がお好きなようです。パンフレットに「時間があるようであれば、是非、近くの川もご訪問下さい」という案内に誘われて、水辺へと降りていきました。
ツツジやシャクナゲ、アジサイ、スイレンなど多くの樹木が拡がる道を通り抜け、川辺の飛び石を伝って、滝の音に誘われ進んできました。2000〜2001年に作られたこの滝には「魚の形をした岩」が置かれ、「鯉の滝登り」をイメージしています。
オーナーの庭にかける情熱と努力が報われ、鯉が天へと駆け上がって「幸運のシンボル;龍」になった姿を、しかと見届けました。 |