午前9時に玄関前に集合し、ハロゲート市内を観光することにしました。ホテルの前には高級住宅街が拡がり、チューダー様式の「ハーフティンバー(木骨様式)」が見られます。
ホテルから中心街までは、緩やかな坂を下り、5分程度の道のりですが、左右に高級感溢れた街並みが続きます。
「空には、ヒバリが、ピーチクパーチク、さえずっておりまして、下には蓮華・たんぽぽの花盛り、陽炎がこう燃え立ちまして、ハロゲートには霞の帯をひいたように……、その道中の陽気なこと……♪」
ちりとてちんじゃ、ございませんが「パーラメント通り」を下って参ります。お囃子の連中の賑やかなこと。(ここは、関西弁のイントネーションで読んでや!) |
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程なく着きましたところが、てぇ〜とWar Memorialと言うからには「戦争慰霊碑」とでも申しましょうか、高い、たかぁ〜〜い塔が立っております。
「皆さん、あちらの正面が、紅茶で有名なベティーズですよ。」と言う声を聞くやいなや、蜘蛛の子を散らすように走り去って参ります。「10時15分には、ここに集まって下さいよ。」と言う注意を聞いたかどうか?定かではございませんが、草若師匠も、冷や冷やしております。
モグラとトド夫妻は!?てぇ〜と、とある密命を帯びて市内をかけずり回っております。モンプラー通りから、クレッセント通りへ戻り「インフォメーションセンター」へとやってまいりました。「いやぁ〜トドさん、美しい街ですなぁ!」と感動しながら、やってきたところが「ローズガーデン」↓今は盛りと咲いております。 |
「ハロゲートの街並みは歩くだけで優雅な雰囲気を感じ取ることができますなぁ。」とセンターへ入ります。
「今でも温泉に入ることができ、日本の温泉と、まったく違う温泉文化を楽しむことができますよ。こんな温泉が出ることから高級保養地として有名になり、貴族の保養地として発展したハロゲートでは、王室御用達のティールーム、ベティーズでのアフタヌーン・ティーを味わうことができます。ゆっくりとした街並みを眺めたあと、ティーサロンに立ち寄って紅茶など如何ですか?優雅なイギリスの保養地、ハロゲートの雰囲気を満喫できることでしょう。」とは、インフォメーションセンターにおわしました美人の案内嬢の声ですらぁ。
「いや!まだ準備が・・」と、ビクトリアショッピングセンターの方角へと向かいました。 |
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話変わって昨日のこと。ガイドのFurukawaさん、運転手のトニーさん、モグラの三人が鳩首会談をしております。「ソープロッジのリポンから湖水地方に向かうには、通常、A1(一級国道)経由で、ペンリスへ向かうのですが、トニーさんが渓谷を通ってもいいよ!と言ってくれるんですが。」
そうなんです。トニーさんは現地のエージェントが「この人は心優しく、イエローブック岡山のツアーには最適の人。」とお墨付きを貰った程のドライバーなんです。
「ただ、A6108→A684(日本で言う三桁国道)は細い道で、トイレ休憩や30名も揃って昼食をとる場所がないけど、どうしますか?」・・・皆さんに相談もなく、一瞬のためらいもなく「このルートにしましょう。」と、モグラは答えていたのでした。 |
このルートは、国立公園「ヨークシャー・デール」の“ど真ん中”を通るルートなのです。
「ヨークシャー・デール」の見所は、何といっても荒野(ムーア)でしょう。6月てぇ〜と、開花の時期には少し早いのですが、もう少しするとヒースが咲き乱れ美しい景色が広がる筈です。
年間を通して風がふきすさぶことで知られているムーア、しかも狭い三桁国道を走りながら、車が駐められる場所を探してトニーさんが、ウロウロ・キョロキョロ。急にバスが左折したと思うと草原の中に入っていきました。
「さぁ〜、皆さんピクニックですよ!」と、ハロゲートで仕入れてきたサンドウィッチに舌鼓を・・・ |
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モグラとトド夫妻は、ビクトリアショッピングセンター前の小さなベーカリーに立ち寄り、出来たてのサンドウィッチと飲み物を買いに行っていたのでした。
トニーさんを含めて29セットを用意していたのですが、トニーさんは小麦アレルギーでパンが食べられません。(申し訳ない)
そこに現れたトドさん夫妻。なんと昨晩ホテルで炊飯したという「おむすび」を手渡してくれ、事なきを得ました。(助かった、感謝・感激です。)
このピクニック場(?)は、アスクリッグ(Askrigg)の近く。見渡す限り草原が続き、強い風が吹き抜けます。この強い風の影響でしょうか?風車のオブジェが壊れて、草むらに落ちていました。
ひょうきんなトニーさんが、この鳥をヒョイと持ち上げ、癒し系で人気者のおじさま二人に、差し掛けましたとさ。 |
ヨークシャーデールと言えば、文学史上の名作「嵐が丘」・・荒涼としたヨークシャーを背景に、奔放な娘キャサリンと孤児のヒースクリフの激しい愛情が衝突し、抗し難い運命に翻弄される姿を描いたこの作品の鮮烈なイメージが浮かび上がってまいります。その舞台は?と言えば、ご存じの「ハワース」。
バスはまもなく小さな町「Hawes」に停まって小休憩です。モグラはてっきり「Hawes=ハワース」だと思い込み、「ここが嵐が丘の舞台でしょう!」とFurukawaさんに大嘘をついてしまいました。
よくよく聞いてみると、ブロンテ姉妹のハワースは「Haworth」で、「Hawes」はヨークシャー訛りで「ハエスか ハウエス と呼ぶんでしょう。」とのこと・・・あぁ〜、英語は難しい。ハワースは渓谷を挟んで50Kmほど南です。 |
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途中、Garsdale Headで鉄道とすれ違い、見晴らしの良い丘の上で記念写真を撮り合いました。強い風の中、トレッキングを楽しむ二人の近くには、野生のジキタリスが群生しています。
程なくヒース(Heath、別名:ヘザー)が、薄紫や白い花を付けることでしょう。強風のせいか?ヒースなど低木は風の吹く方向にねじ曲がって見えます。
ヨークシャーデールの激しく、厳しい自然。荒涼とした風吹きすさぶ荒野、不安定な天気。エミリー・ブロンテが描いた「嵐が丘」の世界をそのままとどめています。(ここはハワースではないって言ってるでしょ!聞いてるんですか?・・という声が聞こえてきそうなヨークシャーでした。冬はどんよりと曇り、今より、もっと厳しい気候なんでしょうね。(--;) |