イギリス・ガーデン巡り Vol.8
        『エルシング・ホール』
 Elsing Halll

 ノフォークの田園地帯にあるエルシングホール。15世紀の石造りの建物、それを囲む塀、200種類を超えるオールドローズで有名な庭です。庭のデザイン、植栽、手入れなどに余念のない奥様“シャーリー・カーギルさん”は、チャーミングでかつダイナミックな方です。このエルシングホールの特徴は、奥様のお人柄とも思える大胆な植栽にあります。ふかふかで絨毯のようなの芝生、自由に枝を伸ばすシュラブローズ、競い合って咲く多年草など、ワイルドなお庭です。

 10エーカーもある広大な庭は、植物に無理をさせないよう、自然志向に作られています。水辺の植物も野趣に富んでおり、ユニークな庭です。

 建物の前は堀に囲まれており、多くの水生植物が植えられ、魚も棲んでいました。
 石造りの古い建物に絡まるオールドローズに圧倒され「うわぁ!」と感嘆の声があがります。

 200種を超えるオールドローズは、近くにあるピーター・ビールス氏の農場で作られたものです。

 オールドローズの権威、ピーター・ビールズさんに、剪定の方法や育て方をアドバイスして頂いているとか…

 ピーター・ビールズ農園のホームページはこちら
 ワイルドフラワーが咲く芝庭。

 イギリスでは近年、キッチリと整えられたボーダーガーデンから、自然志向のボーダーへと好みが変わってきました。ここの庭もまさしくこんな感じ。
 芸術家でもあるご主人「デビッド・カーギルさん」は、現代彫刻を取り入れた庭づくりをしてきました。

 後方、滝のように流れる白いバラは“ガーランド”。
枝ぶりが大きくなるオールドローズを、大胆に使っています。
 四角く刈り込まれたセイヨウツゲの生け垣に囲まれたフォーマルガーデンには、ラベンダー、セージ、サントリナ、タイムなどのハーブが植えられています。
バラ、果樹およびクレマチス混植の壁で仕切られたキッチンガーデンからなる樹木園。

 珍しく興味深い樹木も植えられています。
 小さなバラも10年で大木に育ちました。

 庭づくりを始めた1984年から農薬を使っていないこの庭には、テントウムシなどの昆虫や鳥たちが元気に飛び回っています。
 バラがまるで樹木のように茂り、柔らかな枝が鈴なりの花でたわわになります。

 剪定は、枯れた枝や陰になって邪魔になる枝など最小限にとどめ、目が動き始める2月までには終わらせます。(参考:BISES 2001年6月 No.12)


Elsing Hall
http://www.gardenvisit.com/g/elsing.htm
Elsing Hall, Elsing, nr Dereham, Norfolk,England,
ノリッジ(Norwich)の12マイル西、東ドレハム(East Dereham)の5マイル北東。
Tel: 01362 637224
Owners: Mr. D Cargill
訪問日:2001.6.28(thu)

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